鹿児島県警本部長「疑念が残っており力及ばず」…離任の記者会見、県民から「説明責任尽くすべき」の声も
「私の在任中に(疑念を)晴らせず、大変申し訳ない」。1日、鹿児島県警本部で開かれた野川明輝本部長(53)の離任の記者会見。不祥事を隠蔽したとの疑惑が晴れないままの異動となり、県民からは「説明責任を尽くすべきだ」との声も聞かれた。 【写真】離任の記者会見で、質問に答える野川本部長
野川本部長は会見で、説明責任について、「全力を尽くした」としたうえで、「県民の皆様に疑念が残っており、力が及ばなかったところもあると認識している」と語った。
県民は本部長の異動をどのように受け止めたのか。
鹿児島市の高校2年の男子生徒(17)は「(野川本部長は)県警への不安がなくなるまで説明を尽くすべきだ。もう1年くらい鹿児島で働いて責任を果たしてほしかった」と話した。
同市の嘱託社員の男性(68)は「しっかりと問題を調査し、慎重に再発防止策を作ったと思う。治安を守るために、県警は前を向いて頑張ってほしい」と語った。
県議会で百条委員会の設置を求める決議案を提出した野党系会派・県民連合の福司山宣介会長は「一定のけじめをつけるのが筋だが、やむを得ない」としたうえで、「議会で不祥事を事案ごとに分析し、具体的な再発防止策を県警とともにつくる必要がある」と述べた。
「裁判の推移を見守りたい」
野川本部長と報道陣の主なやり取りは次の通り。
――県民の疑惑が晴れていない中での異動となった。 「客観的事実は変わることがないので、私が説明するよりも説得力のある方法で事実が明らかになることを期待したい。前生活安全部長の裁判の推移を見守りたい」
――離任後、県議会も含めてどのように対応するか。 「議会の運営に関わることはコメントを控える。再発防止策は、私の反省も盛り込んでおり、本部長が交代しても機能すると自負している。新たな本部長のもとで着実に実施されると認識している」
――10月31日に30人を超える警察職員の処分が発表された。 「必要な調査を行い、結果が整ったので公表した。私の異動とは関係ない。調査結果を踏まえてふさわしい処分をしたと考えている」
――在任中にやり遂げたことは。 「かごしま国体の対応だ。関係機関と協力をしながら、組織一丸となって取り組んだ。行事の成功に安心安全の面からささやかながら貢献できた」