建築士なのに「建売住宅」に住む深いワケ。 なぜ夫婦は「自分で設計した家」を諦めたのか?
はじめまして。Instagramを中心に「オンライン建築士」として活動しているともです。昨年、新卒から働いていた積水ハウス株式会社を退職し、現在はフリーランスとして活動をしています。 建築士という職業の前に「オンライン」という言葉をつけた理由は、住んでいる場所や時間に関係なく、家づくりに悩む方をサポートする建築士として活動したいと思ったからです。二児の母であり建築士の私が思う「共働き子育て家族が幸せになれる家づくり」はどんな住まいや暮らしなのかを解釈しながらこれから連載でお届けしていきます。 【内装を見る】アイデアがいっぱい……建築士夫婦が注文住宅を建てずに、購入した建売住宅 今回の記事は私が建売住宅を購入した理由について。 そう、じつは私、建築士でありながら、「建売住宅」を購入して住んでいるのです! そして、建売住宅を購入したことで、思いもよらなかった転機が訪れたのです!
「昔からの夢は自分が設計した家に住むこと」
私の夫も同じく住宅業界で働いています。いわゆる建築士夫婦です。建築士夫婦と言えば自分達の設計した家に住むイメージですよね。正直、私たちも注文住宅を建てると思っていました。 「家を買う」とき、多くのご夫婦がこのタイミングで改めて、言語化されていなかったようなお互いの価値観をさらけ出し、話し合い、刷り合わせていくのではないでしょうか。私たち夫婦も、この対話の中で大切な価値観を見つけることができました。では、実際、建築士夫婦が家を購入するとき、何が課題となり、何を優先しようと決めたのか…そしてなぜ、「建売を買う」結論に至ったのか。具体的に挙げて行こうと思います。
① 希望エリアで注文住宅を建てることは、少し背伸びをしないと厳しかった
私たち夫婦の中で、家を建てる上でどうしても譲れない点が「住む場所」でした。子育ての環境や実家までの距離など色々な理由がありますが、希望エリアに土地から購入して注文住宅を建てる場合は、少し無理をした住宅ローンを組む必要がありました。 果たして「少し無理をしてまで注文住宅を建てたいのか?」そんなことを自問自答する日々。その一方で、小さい頃から憧れていた「自分で設計した家を建てる」という夢を諦めきれず時間だけが過ぎていました。