「麻酔治療が必要なむし歯は1本もなかった」司法解剖した医師が証言 死亡した2歳女児 背景に過剰治療か
■司法解剖した医師「なぜ麻酔を注射をしたのか」 今回、池田さんが証言したのは、死亡直後の叶愛ちゃんの口の中の状態です。 九州大学名誉教授・池田典昭医師 「解剖時、一緒にみた口腔外科の医師も全くおなじことを言いました。叶愛ちゃんの歯には、ほんのちょっとしたつめものがいくつかつけてあった。要するに、ちょっとした削り。その程度の削りだったら神経にまでいかないので麻酔をかける必要がない。むし歯があったとしてもその程度なんですよ。むし歯はなかったんじゃないか。ないところをちょこっと削ってちょっと詰めたという可能性もある。そもそも痛くなるほど深く削っていないので、なんで麻酔を注射をしたのか」 ■「削ったような痕、ほとんどなかった」 亡くなったあと開示された歯科医院作成のカルテ。両親は、16本のうち14本がむし歯とされていたことを初めて知りました。異変が起きたのは一度に5本の歯を治療した4回目。歯科医師は初めて局所麻酔薬「リドカイン」を使用し、歯を削る治療をしました。 しかし、亡くなったあと叶愛ちゃんを司法解剖した池田典昭医師は、「削ったような痕は、ほとんどなかった」と証言しました。 九州大学名誉教授・池田典昭医師 「麻酔をかけるというのは、深部まで削って神経に触れると痛いので麻酔するわけですよね。乳歯といえども麻酔をかけるほど削るということはある程度、実際に治療した場合には削られていなければいけないんですけど、削ったような痕もほとんどなかったんです」 その上で、過剰な治療だったのではないか、との見方を示しました。 九州大学名誉教授・池田典昭医師 「乳歯なのでそのまま抜けるのを待ってもいいし、他の歯にむし歯が進まないように予防的に治療する、その程度の治療でじゅうぶんだと思います。ですから何も危険性のある麻酔をかけて削る必要がないのではないか。何か所も麻酔の注射をうったということなので、ひとつはそれでびっくりしました」