藤井聡太竜王が25日開幕の竜王戦本戦展望…多士済々な11人参加のトーナメント、挑戦権は誰の手に?
2組優勝・佐々木勇気八段(29) 13歳8か月で三段昇段を果たした早熟で、棋風も天才肌の呼び声が高い。藤井竜王とはデビュー30連勝を阻止するなど、何かと因縁がある。 「今期目標の1組昇級がかなったことは良かった。本戦ではなかなか結果が出せていないので、実力を高めて臨みたい」
2組2位・郷田真隆九段(53) 羽生世代の棋士の一人で矢倉などを得意とする、格調高い居飛車党だ。直線的な斬り合いを恐れない剛直な棋風から「一刀流」とも称される。 「ランキング戦は自分なりに指せたが、決勝は勝ち目があっただけに残念だった。本戦まで、もうちょっと内容を直さないといけない」
3組優勝・池永天志六段(31) 受けをいとわない居飛車党。加古川青流戦と新人王戦で優勝した関西ホープの一人だ。ぼくとつな人柄の愛されキャラで、あだ名は「てんてん」。 「ランキング戦で優勝するのは今回が初めて。本戦は格上ばかりだが、目の前の一局に集中して、思い切って指したい」
4組優勝・高野智史六段(30) 2019年の新人王。本戦出場は第33期以来4期ぶりで、1か月の半分以上、研究会で腕を磨いて組優勝を果たした。本戦での初勝利を目指す。 「久々に本戦に進めてうれしい。ランキング戦は先手番を多く引けて、運も良かった。最後のチャンスという気持ちで臨みたい」
5組優勝・渡辺和史七段(29) 2021、22年度に最多連勝を記録した「連勝男」。竜王戦で2期連続昇級し、七段に昇段した。同級生の佐々木八段とはバスケットボール仲間。 「昨期は6組決勝で負けたが、今期は結果が出せて良かった。夜戦になっても戦えるようコンディションを整えて臨みたい」
6組優勝・藤本渚五段(18) 現役棋士で唯一の10代。2022年10月にプロ入りし、昨年度の勝率8割5分は藤井竜王に次ぐ2位だった。8歳でのアマ竜王戦代表は最年少記録。 「序盤がまだ少し大ざっぱなのが課題。本戦のトーナメント表では一番下からの出場となるので、挑んでいく気持ちで頑張りたい」