藤井聡太竜王が25日開幕の竜王戦本戦展望…多士済々な11人参加のトーナメント、挑戦権は誰の手に?
本命・広瀬九段、対抗・佐々木八段
――ずばり本命、対抗は。 藤井 予想は難しいですけど、2年前に七番勝負に登場された広瀬九段は実績十分で、本命と言えるのでは。対抗は右の山から挙げると佐々木八段。これまで以上に充実されている印象があるので、今回はタイトル戦の初登場が期待されるところです。注目株として挙げた藤本五段は、スタートの位置が低いので挑戦者となるかは分からないですが、実力的には全然おかしくないと思います。
激戦を勝ち抜き本戦出場、11人の顔ぶれ
1組優勝・山崎隆之八段(43) 将棋AI全盛の時代に、自らの感覚を頼りとした自由奔放な将棋を指す。今年は棋聖挑戦者として自身15年ぶりのタイトル戦に臨む。自虐トークが定番で、多くのファンに愛される。 「今期は逆転が多かったという印象。スーパーシードは初めてなので、このチャンスを生かせるよう頑張りたい」
1組2位・佐藤康光九段(54) 「丸太流」の異名の通り、優勝候補を力強くなぎ倒して、2年連続の本戦出場を決めた。2017~23年に日本将棋連盟会長を務め、永世棋聖の資格を持つ。 「苦しい将棋が多かったが、結果が幸いした。1組決勝で負けてしまったので、気を取り直して頑張りたい」
1組3位・久保利明九段(48) 振り飛車党の数少ないトップ棋士として長年活躍する。「さばきのアーティスト」と称される一方、劣勢に陥ってからの粘り強さにも定評がある。 「久しぶりに本戦に出場できて良かった。一戦一戦、全力で戦い、気付いたら勝ち進んでいたという形を目指したい」
1組4位・広瀬章人九段(37) 竜王1期の実力者で、第35期七番勝負では藤井竜王から2勝を挙げた。おおらかな性格が反映された「 鷹揚おうよう 流」の棋風で、終盤力に定評がある。 「裏街道(出場者決定戦)に回ってしまったが、一戦一戦、自分なりに指してこられた。対戦相手が決まってから、しっかり対策して臨みたい」
1組5位・斎藤慎太郎八段(31) 2年連続で名人挑戦者となった実績を持つ実力者ながら、竜王戦の本戦出場は9期ぶり2度目。じっくりした将棋を好む居飛車党で、詰将棋の熱烈な愛好者としても知られている。 「前回本戦に出たのが、記憶にないくらい。なかなか巡ってこなかったチャンスなので、暴れたいと思います」