住宅ローン、「繰り上げ返済」でローン総額を抑えられるが…“あえて”「ゆっくり返済」を選んだ方が良いケース【FPが解説】
住宅ローンは「繰り上げ返済」「ゆっくり返済」?
繰り上げ返済とは、毎月の返済額以外に、貯蓄やボーナスなどを使って、住宅ローンの一部を予定よりも早く返済すること。トータルで支払う利息を減らすことができるため、ローン総額を抑えることができます。 ただ、やりすぎには要注意。子どもの学費が足りなくなり、金利の高い教育ローンを組むケースも見られます。繰り上げ返済は、借入金利が低いと、大きな効果が得られません。 そのため、低い金利で住宅ローンを借りることができている現在においては、あえて繰り上げ返済をせずに、ゆっくり返済がおススメ。 余剰資金を投資に回すことで、返済する利息分以上のリターンを得て、資産を増やしましょう。 繰り上げ返済の2つのタイプ 繰り上げ返済には以下の2種類があります。あなたの希望に合わせて使い分けましょう。 ●返済額軽減型 →返済期間を変えずに、毎月の返済額を少なくする 例:・子どもの進学に合わせて返済額を減らしたい ・金利の変動によって増えた返済額を減らしたい ・転職や配偶者の収入が減る予定がある ●期間短縮型 →毎月の返済額を変えずに、返済期間を短くする 例:・定年までに返済したい ・金利の変動によって増えた返済額を減らしたい ・少しでも支払う利息を減らしたい 繰り上げ返済よりも投資がお得? 4,000万円を元利均等返済の35年ローン(金利1.0%)で借りている場合(【図2】繰り上げ返済せずに、ゆっくり返済する場合)。 〈Point〉 繰り上げ返済には手数料がかかることがあります。特に地方銀行で住宅ローンを組んでいる人は、手数料が高く設定されていることが多く要注意。定期的に繰り上げ返済を検討しているなら、手数料のかからないネット銀行への借り換えもおススメ。 繰り上げ返済をするなら、早く実行したほうが有利。返済額が多ければ多いほど、返済のタイミングが早ければ早いほど総返済額を軽減できます。 【Answer】余剰資金は返済より運用へ! 低金利の期間の住宅ローンはゆっくり返済! 立川 健悟 ファイナンシャルプランナー
立川 健悟
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