70歳を定年とする企業が増えてきた!? 70歳まで働くライフプランの考え方とは
「人生100年時代」と言われるようになってから久しいですが、私たちは今後、平均的に何歳まで生きるのでしょうか。 寿命が延びるということは、それだけ長生きするということです。しかし見方を変えれば、それはより多くの時間が生まれることを意味します。つまり、人生が長くなる分、余暇時間が増えることになります。 この余る時間を、私たちは今後、どう生きるかが問題です。今回は、「時間」をライフプラン(人生設計)にどう生かしていけばよいかについて、一緒に考えていければと思います。 ▼65歳から70歳まで「月8万円」をアルバイトで稼ぐと、年金はどれだけ増える?
平均寿命の推移と将来推計
図表1の内閣府が発表した「令和5年版高齢社会白書」によると、2021年(令和3年)における平均寿命は、男性で81.47歳、女性で87.57歳だそうです。一方、1970年(昭和45年)の平均寿命は、男性で69.31歳、女性で74.66歳でした。 つまりこの51年間で、男性は12.16歳、女性は12.91歳、寿命が延びたわけですが、同時に男女ともに、少なくとも「約12年」という膨大な時間が、新たに生まれたことになります。
<図表1> 出典:内閣府「令和5年版高齢社会白書」 それでは、平均寿命は今後どのように推移すると考えられているのでしょうか。 今から数えて46年後の2070年(令和52年)、男性の平均寿命は85.89歳、女性は91.94歳と推計されています。2021年(令和3年)と比較すると、男性で4.42歳、女性で4.37歳と、寿命がさらにおおむね4歳以上延びると考えられています。
今後、「老後は70歳から」という認識が広がる可能性が高い
現在、一般的には65歳から「老後」に入ると考えられています。 しかしながら、「65歳を過ぎたら高齢者となり、そこからが老後の始まり」という考え方は、今や現実に即しているとはいえないかもしれません。65歳を過ぎても、元気で若々しく活動的に生活を楽しんでいる高齢者は多いからです。 2021年(令和3年)4月1日、改正高年齢者雇用安定法が施行されました。これにより、65歳を定年とするのではなく、70歳を定年とする企業が出はじめています。 おそらく「70歳まで働くことが当たり前」という認識、つまり「70歳からは高齢者となり、老後が始まる」という考え方は、数年後に定着するようになるでしょう。 老後に関して、現時点では制度的にはここまで進んできていますが、同時に議論されていることとして、「年金の支給開始年齢の引き上げ」があります。 これは68歳や70歳から年金を支給するという考え方であり、かなり以前から検討課題になっています。これも含めて考えると、ひょっとしたら今後どこかの時点で、私たちは「70歳で会社を定年退職し、70歳から年金をもらう」という時代を生きることになるかもしれません。