【極意教えます!】生半可なロッドでは刃が立たない…バス釣りレジェンド・ヒロ内藤が求めた条件
ロッドに求める3つのコントロール
◆キャストコントロール ボートからのプラッギングをメインとするヒロさんなだけに、キャスティング精度へのこだわりは深い。意図した場所に正確に落とすことは、仕掛ける釣りになくてはならない要素なのだ。様々なシチュエーションを想定し、あらゆるキャストに対応する必要もある。 ◆アクションコントロール バスからの反応を引き出すためになくてはならないのが、アングラーがルアーを思いのままにコントロールできること。例えばペンシルベイトはうまくコントロールすれば、カバーに沿って泳がせることもできる。イメージした分だけ動かせれば、トラブルも少ない。 ◆ファイトコントロール ヒロさんは仕掛ける釣りで大物を狙う。なればこそ、掛けた魚に主導権を奪われてはいけない。バスの暴れをいなし、ファイトをコントロールすることで確実にバスを取り込むことにつなげるのだ。つまりジャンプや急な突進に対応できる必要があるということだ。
自由なアクションのための握り
ロッドを握る際は小指と薬指を中心に握るのがヒロさん流の極意。余計な力が入らず、ロッドを自由に動かすことが可能で、より柔軟なアクションを出すことができる。ゴルフや剣道などでも同様の握りが推奨されていることからも、人体構造的に優れた握りであることがわかる。
究極のロッドワーク
ヒロイズムのようなショートロッドだからこそできる、究極のロッドワーク。まずはラインスラックを多めに出し、竿先は下向きに構える。そこから最速でラインテンションが一瞬貼るまで上方向にロッドを煽る! こうすることでほんの短い時間だけルアーが強い力で引っ張られてピンスポットアクションを発生。ラインも沈まないので、ルアーが余分に引っ張られる心配もない。ポッパーなどで試したいテクニックだ。
ヒロイズムシリーズ(スミス)
ヒロ内藤がバスロッドに求める要素を全て包括したまさしく「ヒロイズム」の体現。伝統的バスフィッシングからアメリカの最先端まで、幅広い釣りに触れてきたヒロ内藤だからこそたどり着いたバスフィッシングの本質的なロッドだ。これまでにいくつも同名を冠したロッドは展開してきたが、それらの言わば最新モデルともなる。氏が在住するフロリダというこれ以上ないというほどの環境でテストが行われ、ヒロ内藤を象徴する釣りを完遂するための5本がラインナップされている。全モデルに1pと2pの双方をラインナップ。 リールは主にスティーズCT SV TW(DAIWA)。軽くて小さくいため握りやすく、疲労しにくいのがその理由。またギア比が高いものを選ぶことが多い。掛けた魚が手前に走って来た際に、ロッドさばきだけでは対応しきれないラインスラックを回収するためだ。 バスの生態に対しても造詣が深いヒロさん。思わず釣れたバスの側線上のウロコを数える。立派なノーザンラージマウスバスだった。
ヒロ内藤(ひろ・ないとう)
釣り歴60年にも及ぶ、日本のバスフィッシング黎明期から活躍するレジェンドアングラー。日本人が手探りでバス釣りを楽しんでいた時代に渡米し、バグリーに入社。さらには日本人としてははじめてバスマスタークラシックのプレスアングラーとして参加し、本場のバスフィッシングを吸収。日本のバスフィッシング文化発展に大きく貢献している功労者だ。群馬県館林出身フロリダ在住。本名・内藤裕文。姉は元宇宙飛行士の向井千秋。