【動画】復興住宅「2%」漁港は「37%」……数字で見る3年目の「震災復興」
3月11日で東日本大震災から3年がたちます。東北などの被災地では復興へ向けた取り組みがなされていますが、分野によって進んだものもあれば、歩みがけっして早くないものもあります。3年でどれくらい復興が進んだのか。現状を数字にスポットを当ててみてみましょう。
進ちょくの遅い住環境
■仮設暮らしは「10万2650人」 仮設住宅暮らしをしている人は10万2650人(2013年12月12日現在)。1年前の11万2996人より1万346人減りました。全国の避難者数は、1年で約32万1000人から約26万7000人に減少(2014年2月13日現在)。被災3県が特に多く、岩手県は3万4847人、宮城県は8万9882人、福島県は8万5589人います。 ■復興住宅「2%」 災害公営住宅の整備が完了したのは509戸(1年前は0.1%)。着工したのは61%で1万3231戸(1年前は27%)でした。 ■集団移転「5%」 防災集団移転、いわゆる高台移転。復興工程表に基づき面整備事業を行う335地区のうち、造成工事が完了した地区数は18地区(1年前は1%)。着工は64%で215地区(1年前は12%)。高台移転が完了したのは宮城県南三陸町や岩手県野田村の地区など。集団移転をめぐっては、住民の合意形成がなかなか難しく、時間を要しています。 ■防潮堤「14%」 被災した地区海岸数471地区のうち、防潮堤を含む本復旧工事が完了したのは65地区。着工は269地区で57%だが、漁業への影響や景観面への懸念から見直しを求める声もあります。
がれき処理、インフラ整備は進む
■がれき「91%」 災害廃棄物(がれき)は、2014年11月末現在、全体の推計量の91%にあたる1515万トンの処理が完了しました(1年前は34%)。津波堆積物は全体の82%にあたる894万トンが完了しています。岩手県と宮城県では、災害廃棄物、津波堆積物とも2014年3月末までに処理可能な見込みです。 ■鉄道「89%」 岩手、宮城、福島の被災3県の鉄道で、被災した路線の総延長2330.1キロメートルうち、運行を再開した路線の延長は1月17日現在、89%にあたる2079.7キロ(1年前は88%)。2012年12月以降に再開した区間は33.1キロメートルで、三陸鉄道南リアス線の吉浜~盛、JR石巻線の渡波~浦宿、JR常磐線の亘理~浜吉田です。 残る路線は271.2キロメートルで、三陸鉄道が今年4月に、残りの不通区間である北リアス線(田野畑~小本)、南リアス線(釜石~吉浜)で運転再開し全線復旧するほか、JR石巻線が2015年春に浦宿~女川を再開して全線復旧する予定。また仙石線の高城町~陸前小野は2015年中の運転再開、常磐線の相馬~浜吉田は2014年春の工事着手を目指しています。ただ、岩手から宮城にかけての沿岸を通るJR山田線、大船渡線、気仙沼線の3線では復旧のめどがたっていません。