国内外で半導体装置攻勢、岡本工作機械がショールーム
岡本工作機械製作所は2025年7月をめどに、埼玉県に半導体関連装置のショールームを開設する。現在開発中の次世代半導体ウエハー向け研削・研磨装置の新シリーズなどを展示する。課題解決策の提案とともに、顧客ニーズ把握に役立てる。半導体関連装置事業は長期戦略「ビジョン2030」で柱に位置付けており、積極的に成長投資する。 ショールーム開設に向けて約7億円を投じ、さいたま市北区の既存ビルを購入した。25年3月末に引き渡しを受け、数億円かけて改修する。地下1階・地上4階建てで、地下フロアから2階までが吹き抜けとなっており、開放感がある。 地下フロアは床面積約730平方メートル。ウエハーを研削して薄くするグラインダー、研磨して平面・鏡面加工するポリッシャーの新シリーズを訴求する。新シリーズは、炭化ケイ素(SiC)ウエハーや窒化ガリウム(GaN)ウエハーに対応する。シリコン(Si)ウエハー向け既存シリーズも置く。クリーンルームを整備し、デモや試作にも対応する。 岡本工作機械製作所は半導体関連装置事業の強化に向け、三井物産と6月に資本業務提携した。ショールーム開設はこの一環。海外では三井物産の米子会社であるエリソンテクノロジーズ(カリフォルニア州)の販売・サービス網を活用し、26州で攻勢をかける。 また新シリーズのグラインダーは、25年10月から全額出資子会社の大和工機(宮崎県都城市)でも生産する。約8億円を投じてクリーンルームの新棟などを整える計画。