半導体よりソフトウエア、ヘッジファンドが方向転換-7日終了週
(ブルームバーグ): ヘッジファンドは先週、人工知能(AI)ブームの恩恵を受けた半導体株を売却し、代わりにソフトウエア株を購入した。
ゴールドマン・サックス・グループのプライムブローカー部門によると、ファンドマネージャーは3週連続で米国のテクノロジー株を売り越した。ハイテク株の中で7日終了週に最も大きく売られたのは半導体と半導体製造装置株、買われたのはソフトウエア株だった。前週の流れと逆になった。
7日までの5営業日には両セクターとも上昇し、S&P500ソフトウエア・サービス指数は1月以来の大幅上昇となった。年初来の上昇率は6%未満で、半導体株にも市場全体にも後れをとっている。S&P500半導体・半導体製造装置指数は、今年約67%上昇し、史上最高値を更新し続けている。
エバコアISIのシニアマネジングディレクター兼テクニカル分析責任者、リチャード・ロス氏は、「ソフトウエアセクターへのセンチメントとポジショニングは現時点で大きく悪化することはないだろう」と述べ、同セクターにとって有利なチャートシグナルを指摘した。
「資金流入は、半導体株の保有を減らす機会というよりソフトウエアセクターの買いの機会とポジティブに捉えられる」とも述べた。同社は引き続き半導体セクターを推奨、ソフトウエアも勧めている。
ソフトウエア株指数の相対力指数は最近、反発が間近に迫っていることを示す水準に近づき、200日移動平均線付近で支えられているように見えるとロス氏は付け加えた。
先週のポジショニングの転換が戦術的な取引だったのか、軌道修正だったのかはまだわからない。
ソフトウエア株はAIブームによる上昇が総じて鈍く、投資家は半導体株を選好。エヌビディアをはじめとする半導体銘柄が今後も成長を続けるという確信に支えられた旺盛な需要で急騰させた。
ゴールドマンのビンセント・リン氏は「業界レベルでスタンスが変わる可能性がある」とみている。ゴールドマンによれば、ソフトウエアセクターの反発は一つには売られ過ぎのポジショニング力学によって引き起こされた可能性がある。