【40代、50代・更年期の不眠悩み】更年期に起こりがちな不眠悩み。薬に頼らず改善させる方法は?
女性ホルモンの減少とともに、睡眠ホルモンであるメラトニンも減っていく更年期。この世代の女性の約半数が、不眠の悩みを抱えていると言われる。薬を使う前に試したい、不眠解消の方法を産婦人科医の吉形玲美さんが教えてくれた。
Q. 更年期に入り、眠いのに眠れず夜中に考え事ばかり。不調Maxです。睡眠導入剤などには頼りたくないのですが何かいい方法は?
A. 快眠のコツは意外に簡単。「眠らなくては」の呪縛から自分を解放して 「眠りたいのに寝つけない。夜中に悶々と考え事をしてしまうタイプの人も、更年期には少なくありません。 このタイプの人は、どうしても『眠らなければ』と考えてしまいがち。枕を変えたり照明を工夫したり、熟睡環境を整えることもしていることでしょう。それがなおさら眠れなくしているかもしれません。 ともかく朝は一定の時間に起きてカーテンを開け、太陽の光を浴びる。日中は適度に体を動かす。そして眠れないことをクヨクヨ悩まない。それでも変わらなければ、早めに婦人科や専門クリニック(スリープクリニックなど)を受診しましょう」(吉形先生) 《快眠のためのシンプルな5つの心得》 1. 朝に太陽の光を浴びる 2. 毎朝一定の時間に起きる 3. 日中、適度に体を動かす 4. 眠れないことをあまり気にしない 5. 気に病むより医療機関を受診
Q. 2、3時間で目が覚め、熟睡できません。睡眠サプリや市販薬を飲んだほうがいいの?
A. まず、睡眠日記をつけて自分の睡眠の状態を知ることから始めましょう 「医療機関でも使われているのが『睡眠日記』。布団に入った時刻、眠りについた時刻、目を覚ました時刻、布団から出た時刻、よく休めたか、昼寝や居眠り、日中の眠気などを記録しておくものです。 睡眠日記のアプリや、印刷して使える用紙がダウンロードできるサイトもあります。2週間程度毎日続けて書くことで、自分の睡眠の傾向がわかり、意外な発見につながります。サプリや薬はそのあとで考えてみては?」 次回は、更年期の骨密度の低下対策について教えてもらう。
【教えてくれたのは】 吉形玲美さん 産婦人科医、医学博士。浜松町ハマサイトクリニック特別顧問。大学病院で医療の最前線に立ち、女性医療・更年期医療のさまざまな臨床研究にも数多く携わる。女性予防医療を広めたいという思いから、現クリニックへ。更年期、妊活、月経不順など女性の体のホルモンマネジメントが得意。著書に『40代から始めよう! 閉経マネジメント』(講談社) 構成・原文/蓮見則子