第2戦イモラで完走、進歩を確信する“孤軍奮闘”イソッタ・フラスキーニ陣営「さらなる努力ともう少しのリソースがあれば……」/WEC
ジャン・カール・ベルネイは、WEC世界耐久選手権第2戦イモラ6時間レースでイソッタ・フラスキーニが示した進歩を見て、彼らが「素晴らしいこと」を成し遂げることができるとの新たな信念を抱いたと語った。 【写真】WEC第2戦イモラのスタート直後、ターン2(タンブレロ)で起きた多重クラッシュ ミケロットが製作したティーポ6・コンペティツィオーネがシーズン開幕戦のカタール1812kmでサスペンションの問題により早期リタイアを余儀なくされた後、イソッタ・フラスキーニは母国で今季初完走を記録した。 ■「ル・マンまでに学習曲線は大幅に改善される」 4月21日にイタリアのイモラ・サーキットで行われた第2戦で、ベルネイとチームメイトのアントニオ・セラバッレ/カール・ワッタナ・ベネットは14周遅れの17位となった。ベルネイは1周目の接触で深刻なダメージを免れたものの、セラバッレとベネットはそれぞれ別のコースアウトにより順位を落とした。 だがベルネイは、最初のプラクティスセッションで示されたペース(イソッタの週末のベストラップとなった)と、カタールで問題に遭遇した後に概ねスムーズな走りを見せたことに、勇気づけられたという。 「(カタール以来)間違いなく僕らは改善している」とベルネイはSportscar365に語った。 「僕らはこれまでに経験したすべての問題から学んだ。プロローグ(カタールでの開幕直前のテスト)中、僕らは多くの問題に直面し、マシンを走らせることができず、他のチームと比べて経験が不足していた」 「シーズンが始まってから、僕らはまったくテストをしていない。かなりのテストをしてきたライバルたちと戦うのは、さらに困難であることは間違いない」 「ここ(イモラ)で数周してみたところ、僕らが彼らにはるかに近づいていることは明白だった。これがチーム全体にモチベーションを与え、エネルギーを与えている」 イソッタ・フラスキーニのモータースポーツマネージャー、クラウディオ・ベロは今年初め、ティーポ6・コンペティツィオーネのパフォーマンスを大きく前進させるためのターゲットを6月のル・マン24時間レースに置くと語っていた。 ル・マンで何が可能になるのかと問われると、ベルネイはWECで最も名誉ある一戦に対する期待を高めすぎることには消極的だった。 「僕らはレースごとに進歩していく」とベルネイ。 「(イモラでの)目標は完走することだった。なぜなら、開幕戦ではそれができなかったからだ。だけど、ル・マンは(目標を設定するには)まだ遠すぎる」 「ル・マンまでに僕らの学習曲線は大幅に改善されると思う。僕はチームとマシンを心から信じている。このクルマには多くの可能性が秘められており、さらなる努力ともう少しのリソースがあれば、素晴らしいことを達成できると、僕は本当に思っているんだ。時が教えてくれるだろう」 同様に、ベルネイは残りのシーズンにおける具体的な目標を掲げず、ハイパーカーのライバル勢と比べてイソッタ・フラッキーニが直面するリソースと経験のギャップを強調した。 「僕らには(先頭集団に挑戦できるだけの)スピードがないことは、間違いない」とベルネイは認めた。 「経験を積むことでさらにスピードが上がることを期待している。やるべきことをやれば、そこ(先頭集団)にいられるということを確認したい。そのためには、非常に安定したスティントを行い、ドライバーとしてミスをせず、完璧なピットストップを行う必要がある。僕らはこれらすべての点に、まだ取り組む必要があるんだ」 「僕らは、10倍の予算を持ち、全員がとても経験豊富なドライバーを擁するチームや、10年のプロトタイプ経験を持つチームと戦っている。したがって、その挑戦は最初から困難なものだ」 「重要なことは、僕らができる最大限のことをすること、そして自分自身に誇りを持ち、自分のやったことに満足することだ」 「だけど、チームもドライバーも、このクルマには多くの可能性があると確信しているよ」 [オートスポーツweb 2024年04月30日]