府中・国天然記念物「馬場大門のケヤキ並木」100周年 展示や講演会
府中市の「馬場大門のケヤキ並木」が国の天然記念物に指定されて、12月9日で100周年を迎える。歴史や意義を紹介するパネル展と記念講演会、特別展が市内各所で開かれる。(調布経済新聞) 【写真】天然記念物に指定された頃の写真と共に歴史を伝える看板 大國魂(おおくにたま)神社の参道として甲州街道付近から続く約600メートルの並木は、平安時代後期に源頼義・義家の父子が「前九年の役」戦勝御礼としてケヤキの苗1000本を寄進したことに始まるといわれる。江戸時代には徳川家康が関ヶ原・大阪両陣の戦勝御礼として馬場を献上するとともに、馬場の土手にケヤキを植樹し現在の並木を形作ったと考えられている。1924(大正13)年、史蹟名勝天然紀念物保存法により「馬場大門のケヤキ並木」として国から天然記念物に指定。現在はケヤキ約120本の他にエノキなどを合わせて約130本が立ち並び、次世代の若木も育成されている。 シンボルとして長く親しまれてきた並木を守るため、市は6月28日に「府中市けやき並木を守り育てる条例」を制定・公布し、100周年を迎える12月9日に施行する。市民から募集したキャッチコピー「ともに歩もう未来へつづくケヤキ道」やシンボルマークの描かれたフラッグを並木に掲出したり、デザインマンホールを製作したりした。 12月2日~6日にフォーリス1階「光と風の広場」(府中市宮町1)で昔のケヤキ並木の写真などを展示する「馬場大門のケヤキ並木の歴史パネル展」を開催する。開催時間は10時~20時(最終日は17時まで)。観覧無料。 8日はル・シーニュ5階「府中市民活動センタープラッツ バルトホール」(宮町1)で、講師たちが「馬場大門のケヤキ並木」の歴史や意義、保護活動などを解説する「記念講演会」を開く。併せて、「ケヤキ並木保護更新プロジェクト」を行ってきた都立農業高校造園部緑地計画科、府中第一小学校、府中第一中学校の児童・生徒の表彰式と報告会も行う。開催時間は13時~17時。無料。 府中市郷土の森博物館(南町6)では12月7日~1月13日、特別展「武蔵府中のケヤキ並木」を開催する。古文書などの史料、絵はがき、古写真など約80点を展示し、並木の歴史をひもとく。開館時間は9時~17時(最終入館は16時)。会期中の休館日は、12月9日・10日、16日・17日、23日・24日、29日~1月3日、6日。入館料は、一般=300円、中学生以下=150円、4歳未満と「学びのパスポート」利用者は無料。
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