「何がバロンドールだ」前代未聞の“事前漏れ騒動”ビニシウス落選に王国ブラジルや名将激怒…マドリーは授賞式ボイコット「敬意を欠いている」
フットボールの世界最優秀選手の選考をめぐって、前代未聞の騒動が起きた。 【写真】「今年のバロンドール、日本人でノミネートは三笘でも久保でもなく…」あの女子選手だった。あの超有名女優に女子最優秀選手の美しい笑顔も…各国女子サポーターの美写真も一気に見る
マドリー勢は式当日に“ボイコット”
10月28日夜、パリで「2024年バロンドール」表彰式が行なわれたのだが、男子の世界最優秀選手賞をエース、ブラジル代表FWビニシウスではなくスペイン代表MFロドリ(マンチェスター・シティ)が受けることを(何らかの方法で)式の当日になって察知した世界最強クラブ、レアル・マドリーが、予定していたクラブ関係者約50人の出席を急遽取り止めたのである。 ビニシウス以外にも、レアル・マドリーからはカルロ・アンチェロッティが男子の世界最優秀監督賞に、イングランド代表MFジュード・ベリンガムら5人が男子の世界最優秀選手賞に、トルコ代表MFアルダ・ギュレルが世界最優秀ヤングプレーヤー賞に、クラブ自体が男子の世界最優秀クラブ賞にノミネートされていた。 ビニシウスの母国ブラジルではフットボール関係者、メディア、ファンがこぞって激怒した。 ビニシウスは、驚異的な身体能力を備え、スピード、パワー、テクニックを駆使して左サイドを引きちぎり、決定力も高い24歳の左ウイング。欧州チャンピオンズリーグ優勝の立役者となり、大会MVPに選ばれた。スペインリーグも制覇している。 ロドリは、強靭な体躯と的確な判断力で中盤の守備の要となり、確かなキープ力と的確なパス、さらには強烈なミドルシュートで攻守に貢献する28歳の世界最高峰のボランチだ。欧州選手権とプレミアリーグで優勝している。
「彼らは準備ができていなかったようだけどね」
事前に漏れた情報の通り、ロドリが男子の世界最優秀選手賞に輝き、ビニシウスは次点だった。 ロドリは、大学を卒業しているインテリで、誠実にして生真面目。受賞のスピーチでは、家族、恋人、代理人、チームメイトらに感謝の言葉を述べ、名手でありながらバロンドールに手が届かなかったシャビ、イニエスタらスペイン代表の先輩たちに敬意を示し、さらにスペイン代表の未来を担うFWラミン・ヤマル(バルセロナ)に思いを託す見事なスピーチを行なった。 一方、ビニシウスはリオ郊外の貧困家庭の出身だ。 想像を絶する苦労を重ねた末、かつてジーコがプレーした名門フラメンゴで頭角を現わし、18歳でレアル・マドリーへ移籍。対戦相手のサポーターなどから「死ね!」、「汚い黒人」などと執拗に罵倒され、彼のユニフォームを着せた人形を橋の上から吊るされるなど過酷な人種差別を受けてきたが、それを跳ね返して世界トップクラスのアタッカーへ成長した。 その一方で、対戦相手の選手を挑発したり審判に執拗に抗議するなど、人間性に関しては批判がある。それでも、ブラジルでは彼がスペインで受けてきた人種差別に敢然と抗議する態度が高く評価され、賞賛されている。 受賞を逃したことを知り、ビニシウスは「(世界最優秀選手に選ばれるために)必要なら、僕は今のプレーを10年続けるよ」としながらも、「ただし、彼ら(選考に当たった人々)は(正当な選考をする)準備ができていなかったようだけどね」と胸中を吐露した。
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