手口知って対策を サイバー攻撃に備えセミナー 奄美大島
鹿児島県奄美市の奄美大島商工会議所(有村修一会頭、会員1109事業所)は8日、情報セキュリティー対策に関するセミナーを同市名瀬の同商工会議所で開いた。島内の事業所などから12人が受講。さくら未来研究所(鹿児島市)の向江隆行代表取締役(47)が講師を務め、インターネットを悪用したさまざまな脅威から機密情報や顧客データなどの情報資産を守る手段を説明した。 向江氏は中小企業診断士でデジタル技術を活用した業務改善などの支援を行っている。 セミナーでは、ソフトウエアの脆弱(ぜいじゃく)性を突いたり、メールの添付ファイルや本文中のリンクを開かせたりしてコンピューターウイルスに感染させるサイバー攻撃の手口を紹介。2023年には、生成AI(人工知能)技術によって実在する人物の声を模倣し、悪用した可能性のある事例もあったという。 対策として、ソフトウエアの更新やセキュリティーソフトの利用などとともに、社内の管理体制構築や教育、攻撃された場合に端末をネットワークから即座に切り離すことなどの重要性も訴えた。 中小企業向けに情報処理推進機構(IPA)が提供するガイドラインや自社診断シート、啓発動画なども紹介し「ウイルスへの感染は一瞬だが元に戻すのは大変。予防意識を高めてほしい」と呼び掛けた。 受講した奄美市名瀬の建設業の女性は「攻撃を受けた場合に、対策を相談できることが大切だと思った。(紹介されたIPAの)動画を社内で共有したい」と話した。