アマゾンが求める「競争力ある価格」 値下げ「強制」、応じれば赤字
ネット通販大手のアマゾンが26日、公正取引委員会の立ち入り検査を受けた。出品者に対して「競争力のある価格設定」を求めてきたことが事実上、値下げ強要の疑いがあると判断された。赤字覚悟でもその要求に従わざるを得ないのはなぜなのか。出品者らが取材に実情を明かした。 【写真】カートボックスと選定の仕組み アマゾンに日用品を出品している男性(37)は1年ほど前、害虫駆除用品約300点の販売を計画した。1点あたり仕入れ価格約1千円に対し、売値は約2千円。送料やアマゾンへの手数料を差し引いた利益は100円ほどを見込んだ。 アマゾンが運営するネット通販サイト「マーケットプレイス」に出品した。売れ行きが悪く、理由を探ったところ、この商品は「カートボックス」に入っていなかった。 カートボックスとは、商品ごとに優先的に表示される枠のこと。1枠だけで目立つ位置にある。公取委は、値下げに応じたり、アマゾンの一括サービスを利用したりしている出品者が選ばれていたとみている。 一方で他の出品者の欄は目立たず、購入に至るまで何回もクリックが必要だ。カートボックスに入るかどうかで「売り上げのインパクトは全然違う」と男性は言う。
朝日新聞社