Bloomberg

（ブルームバーグ）： 28日の日本市場では株式が反発。衆議院選挙での与党過半数割れを受けて続落して始まった後、自律反発を狙った買い注文が入っている。円相場は１ドル＝153円台前半まで下落し、約３カ月ぶり安値を更新。債券先物はリスク回避の買い先行後、下げに転じている。

与党敗北により国内政治は不安定化が避けられず、日本市場もボラティリティーの高い、波乱含みの展開を余儀なくされる。経済政策運営に混乱が生じ、減税などを求める野党の主張を受けて財政拡大への圧力が強まり、追加利上げを模索する日本銀行の金融政策も影響を受けかねない。市場はひとまず選挙結果を消化した後、連立政権や財政・金融政策の行方を見極めることになる。

株式

日本株は小幅安で寄り付いた後、上げに転じた。衆院選を通過した後の自律反動に加えて、決算を発表を受けた個別銘柄の物色が相場を支えている。

東海東京インテリジェンス・ラボの平川昇二チーフグローバルストラテジストは、国民民主党が部分連合か閣外協力という形で与党に協力すれば、自公の政策と減税で積極財政になる可能性があり、「景気がしっかりすることを織り込み始める可能性がある」と話した。

東洋証券の大塚竜太ストラテジストは、与党が 「想定以上に負けたという印象」とした上で、国民民主とのパーシャル連合の形が想定されるもの、その是々非々が分からず、「先行きが見通せない状況で相場はなかなか落ち着かないだろう」と指摘した。

為替

円相場は１ドル＝153円台前半に下落。政治的な不透明感が嫌気され、売りが優勢だ。

関西みらい銀行の石田武ストラテジストは、政権が不安定化すること自体は日本市場にとってネガティブで、最初は円安の反応になりやすいと指摘。もっとも、３カ月ぶりの円安水準で利益確定の円買い戻しが出やすいほか、政権の枠組みが明確になっていないことによる取引のしづらさがあるとし、「短期売買中心で、荒い値動きになりやすい」とみる。