年収600万円の会社員ですが、仕事がキツく55歳で「早期退職」を考えています。貯金と退職金でそれぞれ「2000万円」あれば大丈夫ですか? 老後の年金が減って「損」でしょうか?
もし、少しでも長く働いたら
逆に少しでも長く、今回の条件で働いた場合も試算してみましょう。まず1年長く働くとどうでしょうか。 1年長く56歳まで働くことで、年収600万円-支出430万円=170万円となり、170万円を貯蓄に回せるので貯蓄額は退職金と合わせて最大4170万円まで増えます。 同時に退職後の消費支出も以下のとおりとなり、合計9年間で3520万円に減少し、4170万円-3520万円=650万円ほど貯蓄が残ります。 56歳から60歳までの4年間で4年×430万円=1720万円 60歳から65歳までの5年間で5年×360万円=1800万円 さらにもう1年長く57歳まで働くと、同様の計算で65歳時には1250万円程度の貯蓄が残ります。また、年金額の減少幅も小さくなるため、57歳まで働けば、年金額は年間200万円以上の受給が可能です。何より、これだけ貯蓄が残れば繰下げ受給なども含めて検討できるため、選択肢が広がります。
まとめ
早期退職での貯蓄額や年金額の変動シミュレーションでは、1年でも長く働くことで大きな差が生じることがわかりました。しかし、無理に仕事を続けて身体を壊しては元も子もありません。今の仕事を続ける、あるいは完全リタイアするといった2択だけでなく、年収は下がっても無理のない仕事に再就職するなど、働き方についてもさまざまな選択肢を検討してみてはいかがでしょうか。 出典 総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)結果の概要 日本年金機構 は行 報酬比例部分 執筆者:松尾知真 FP2級
ファイナンシャルフィールド編集部