「年越しそば」自分で打つと「格別です」…定年退職後の趣味でも人気「人とのつながり生んでくれる」
毎年、年末には約200人分の年越しそばを打ち、全国の親族や友人に送るという岡本さん。「そば打ちは、人とのつながりを生んでくれる」と魅力を語る。
地域のそば
同県八女市の牛島製茶は、乾麺「八女茶の茶そば」を販売している。自社工場で茶葉をひき、鮮度が高い状態でそばに練り込んでいる。一般的な茶そばよりも抹茶の量を増やして、色みや香り、味を際立たせるよう工夫しており、担当者は「大地の恵みを味わって」と語る。
八女商工会議所などが新たな特産品として企画し、今年1月に販売開始。製麺はうきは市の企業が手掛け、240グラム(3人前)で税込み864円。年越しそばや新年の贈り物にもお薦めという。
北九州のソウルフードと親しまれる「資さんうどん」では、年越しそばの予約を受け付けている。滑らかな食感と適度なコシも楽しめるという「二八そば」(2人前880円から)で、つゆやとろろ昆布などが付く。
担当者は「1年の厄災を断ち切り、素晴らしい新年になるよう願いを込めて食べる縁起物。『年越しそば』を食べて幸せいっぱいの新年を迎えてほしい」と呼びかける。
博多は「年越しそば発祥の地」
福岡市博多区の承天寺は、「年越しそば発祥の地」と伝えられている。
鎌倉時代、同寺を開いた聖一国師が修行先の中国・宋から水車による製粉技術を持ち帰り、うどんやそばの作り方を日本に広めたとされる。そして、寺の建立に力を貸した宋の商人が、飢餓の年の大みそかに博多の民衆にそばを振る舞ったことが「年越しそば」の始まりと言われているという。