春高バレー 前回準優勝の福井工大福井が3回戦に進出 エースで主将の山本快が奮闘
「ジャパネット杯 春の高校バレー」第77回全日本バレーボール高等学校選手権大会第2日(6日、東京体育館)男女の2回戦計32試合が行われ、男子は前回大会準優勝の福井工大福井が浜松修学舎(静岡)に25-19、25-21で勝利。世代ナンバーワンサウスポーの呼び声高い山本快主将(3年)が快勝に導き、3回戦に進んだ。女子は前回準Vの下北沢成徳(東京)が米沢中央(山形)にストレート勝ち。8大会ぶりの優勝へ好スタートを切った。 亡き友の思いも胸に頂点を狙う。今大会初戦を迎えた福井工大福井の山本は、相手ブロックをものともせず、高い打点から強烈なスパイクを次々と打ち込んだ。 「チームとしても個人としても硬さがあったけど、中盤から終盤にかけて修正して勝ち切ることができた」 第1セットを25-19で奪うと、第2セットは序盤から接戦に。それでも「高い打点を意識して打つ練習をしてきた」と最高到達点330センチ誇るサウスポーの山本が10-11から鋭いアタックで得点を奪った。さらに、昨年より170センチ台前半の選手が多いことから「(チームで)特に強化してきた」というフロアディフェンスで粘り強くボールを拾い、逆転。前回8強の難敵を退けた。 選手全員が巻く白い鉢巻き。エースは自分の名前とともに、昨年11月に交通事故で亡くなったクラスメートの名前を記して大会に臨んでいる。野球部に所属して甲子園を目指していた球児だったといい、普段から仲が良く、互いに刺激し合って高校生活を過ごしてきた。山本は「応援してくれていた。その子の分も自分が背負って戦うと決めている」と強い決意を胸に秘めている。 左利きは攻撃に特化したオポジットでの起用が多いが、山本はサーブレシーブもこなすアタッカーとしての成長を目指している。時には時間差攻撃を繰り出し、ブロックも手を抜かない。 県勢初の進出を果たした前回大会決勝では駿台学園(東京)に0-3で完敗。東京体育館ではあのときの悔しさが蘇る。昨年は全国高校選抜で海外遠征も経験し、大きくなって帰ってきた夢舞台。「去年とは違うバレーで、去年の借りを返したい」と山本。大黒柱が奮闘し、墓前に優勝を報告する。(山下幸志朗) ■山本 快(やまもと・かい) 2006(平成18)年7月6日生まれ、18歳。福井県出身。上庄中から福井工大福井に進学。2年時には堤凰惺(おうせ)=現東京学芸大=とのWエースとして県勢初の決勝進出に貢献。昨年は全国高校選抜に選ばれ、インドネシア遠征に参加した。188センチ。最高到達点は330センチ。