なぜ今、この名品がモテるのか? 【PART1】ワークブーツ
いまどきのこなし方は、白スニ感覚が正解
ではでは、このような流行の背景が見えてきたワークブーツを、我々オヤジはどんな服と合わせ、どのように履くべきなのか。 まずひとついえることは、先に挙げたまんまアメカジスタイルに合わせるのは、NGということ。なぜなら今回の流行は、アメカジとはほぼ無関係であり、以前の流行を知る人が見れば、そんなスタイルが古っぽく見えてしまうから。 で、こんなときも頼りになるのが、ミラノやフィレンツェを闊歩するイタリアオヤジなんですね。彼らも今回のワークブーツリバイバルを敏感に捉えており、いまやその足元はワーク一択と言っても過言ではないほど。 履きこなしはスーツやジャケット、テーラードコートといったオヤジの定番ワードローブを主軸に、足元のアクセントとして採り入れている印象です。これまで白スニが担ってきた、足元のハズし的なポジションに取って代わったイメージ。 つまり、いつもの装いに採り入れるだけで、ボリューミーで武骨な足元がスタイル全体を新鮮かつ洒脱なバランスに見せてくれるって仕掛けです。ただし、短丈のテーパードパンツやロールアップにより、ブーツの存在感を強調するのが、いまどきなバランスのキモとなるので、お忘れなく。 40代以上のオヤジさんなら、一度は履いたことがあるはずのワークブーツ。今回はかつて履いたアイリッシュセッターやイエローブーツをクローゼットの奥から引っ張り出しても通用するゆえ、ぜひ久々に足を入れてみてください。もちろん、ラグジュアリーブランドの最新作で差をつけるのもありです。 いずれにしろ、久々に履くタフで男らしい存在感のある足元に、きっとあらためて気分がアガるに違いないかと。ただし、かつて一緒に着たアメカジセット一式は、まだ封印しておいてほしいのですが(笑)。
文/竹石安宏(シティライツ) イラスト/Isaku Goto 編集/長谷川茂雄