神戸製鋼所、上期にアルミ製品加工賃改定。板・押出は15%以上引き上げ
神戸製鋼所は23日、アルミ板や押出、鋳鍛品の加工賃(ロールマージン)を引き上げると発表した。今上期から板・押出製品は15%以上引き上げるほか、アルミ押出加工品・アルミサスペンション・アルミ鋳鍛品も製品ごとに個別で改定を実施する。今期から物流問題への対応を受けた運送費の上昇や外注費コストの増加などが見込まれるため、価格上昇分を製品価格に転嫁する。同社のアルミ関連製品の加工賃改定は昨年上期以来、約1年ぶり。 神戸製鋼はこの数年、電力・ガスなどのエネルギーコストの上昇や副資材・副原料等の高騰に対し、製品価格への転嫁を実施してきた。しかしながら2024年度から運送・物流・建設業等における「働き方改革関連法」の適用開始により、輸送費価格のさらなる上昇が見込まれている。加えて外注費や諸資材コスト、労務費上昇を背景とした加工費、設備保全のコスト上昇も継続する見込み。 これに対し神戸製鋼もコスト抑制を進めていたが、広範囲にわたる各種コストアップは自助努力のみで吸収することは極めて困難だと判断。将来にわたって供給責任を果たし続けるために製品価格へ転嫁せざるを得ないとして加工賃の改定を決めた。再生産可能な利益水準を確保し、高品質な製品の安定供給を継続していく考え。