一番寒い時期こそパワフルな花束からエネルギーをチャージ!【二十四節気とフローリスト】
古来から伝わる「二十四節気」は、春夏秋冬の季節を6つずつに分け、それぞれの期間に季節の変化を表す名前をつけたもの。気忙しい日々だからこそ、暦に合わせて咲く色とりどりの花から活力をチャージしたい。今回は寒さが極まる大寒におすすめの花束を、東京・南青山の「logi plants&flowers」に束ねてもらった 【写真】冬のおすすめ花束【二十四節気とフローリスト】
大寒 1月20日~2月3日
1年で最も寒さが厳しい大寒。最低気温を記録する日も多い季節だが、ふきのとうが雪の間から顔を覗かせるのもこの頃。春前に使われることが多い「三寒四温」は本来この時季の季語。まだまだ寒い日々が続くが、2月3日の節分を過ぎれば、旧暦では1年の始まりである立春だ。春を待たずに「先ず咲く」という言葉からその名がつけられたという「まんさく」の黄色い花を愛でながら、春の訪れに思いを寄せたい。
目にも鮮やかな花が出迎えてくれる、南青山の「logi plants&flowers」。“1本でもサマになる花”をコンセプトにエッジの効いた花を取り揃えている。 大寒をテーマに束ねてもらった花束は、緑のグラデーションが美しいアジサイに、この季節らしいチューリップ、個性的なグズマニア。logi plants&flowersの店舗の個性あふれる世界観をそのまま束ねたような仕上がりだ。いちばん寒い季節だからこそ、パワフルな花束からエネルギーをチャージしたい。
フラワーアーティストであり、デザイナーでもある宇田陽子さんが営むこの店では、ファッショントレンドや時代の潮流を見ながらも、宇田さんのフィルターを通した花を仕入れるように意識しているのだそう。その唯一無二のセンスに惹かれ、近隣の企業に勤務する人や、ショッピングクルーズがてら訪れる人が後を立たない。 またlogi plants&flowersといえば、アイコニックなブーケ専用オリジナルバッグが有名。これはディレクターを勤める岸大介さんが、ブーケの過剰な包装、また花を隠してしまうことに疑問を感じ、作成したという。自転車に乗っていても花が潰れずに運べて、家に帰ってそのまま吊るして楽しめるよう、ストラップが長めに作られている。 大規模な空間演出も手掛ける宇田さん。イベント当日のために丹精した枝物や花がイベント終了後に廃棄しないといけない事に疑問を感じ思案していたところ、植物を燃やした灰が器の釉薬になるということを、器作家の“EARTH PIECE CRAFTE”北湯口氏から教えてもらい共同で「life is.」プロジェクトを2018年に発足。 店舗の一角に積まれた器は、空間を彩った桜や桃、あせび、市場などで大量に余ってしまった母の日後のカーネーション、案件で使用した数々の灰から作られた釉薬を使ったお皿が販売されている。花を愛でながら、肩の力を抜いてサスティナビリティな活動に参加できる稀有なフラワーショップだ。
logi plants&flowers ロジプランツアンドフラワーズ 住所:東京都港区南青山3-14-10シプレ南青山B1 電話番号:03-3403-0535 営業時間:12:00~19:00 定休日:木曜日 参考文献:『花と短歌でめぐる 二十四節気 花のこよみ』株式会社KADOKAWA 『くらしのこよみ 七十二候の料理帖』平凡社 山下景子『二十四節気と七十二候の季節手帖』 成美堂出版 TEXT BY YURI TAKAHASHI