年収1000万円でも「生活ギリギリ」 “700円マック”人気が象徴する米国「超・二極化」現地レポート
不動産も危なさそう
一方、不動産に関しては、供給不足ということもあって、住宅が買いたい人が買えないという状況もある。需要は高いため、景気の先行きは明るいという声もチラホラ聞こえる。 しかし、オフィスビルは、テレワークによる空室も目立っていた。私が訪れたウォール街のとあるビルは、訪問先以外のテナントは全て空室だった。賃料の値下げや収益性の低下などが起きて、不動産への投資意欲を減退させ、経済がマイナスになる可能性を秘めていると感じるのは筆者だけだろうか。 11月にはアメリカ大統領選があるが、その後はしばらく混乱も予想されている。アメリカ経済の先行きは予想しづらい状況だが、その影響を日本経済も受けることは必至だ。 日本は33年ぶりの賃上げや株高を記録し、個人金融資産も2122兆円を突破した。現在がデフレ完全脱却への絶好のタイミングだ。先日誕生した石破茂内閣は、混乱が予想されるアメリカ経済を注視し、日本経済を上向かせる千載一遇のチャンスに対応してほしい。
渡辺広明(わたなべ・ひろあき) 消費経済アナリスト、流通アナリスト、コンビニジャーナリスト。1967年静岡県浜松市生まれ。株式会社ローソンに22年間勤務し、店長、スーパーバイザー、バイヤーなどを経験。現在は商品開発・営業・マーケティング・顧問・コンサル業務などの活動の傍ら、全国で講演活動を行っている(依頼はやらまいかマーケティングまで)。フジテレビ「FNN Live News α」レギュラーコメンテーター、TOKYO FM「馬渕・渡辺の#ビジトピ」パーソナリティ。近著『ニッポン経済の問題を消費者目線で考えてみた』(フォレスト出版)。 デイリー新潮編集部
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