スカイマーク、キットカット終了 コーヒーはネスレ→UCC、機内サービス3月刷新
スカイマーク(SKY/BC、9204)は、機内サービスを3月1日からリニューアルする。ドリンクサービスを3種類に増やすほか、コンセプトを「空で味わう就航地」として地域の特色を打ち出す。一方、経営破綻後にスタートした「キットカット」の無料配布や、破綻前からの機内販売品「コカ・コーラ」など取り扱いを終了する商品もあり、全面的に見直しを図る。 【写真】キットカットやコーヒーをサービスするスカイマークの客室乗務員 ◆神戸のUCCへ スカイマークは、経営破綻後の2016年10月1日からネスレのコーヒー「ネスカフェ ゴールドブレンド」を無料で提供。3月からはUCC(神戸市)のコーヒーに切り替え、同時にネスレのチョコレート「キットカット ミニ」の無料提供も2月29日で終了する。UCCが本社を置く神戸には、スカイマークの羽田空港に次ぐ拠点である神戸空港がある。 破綻前のスカイマークでは、コーヒーは100円の機内販売品のみで、当時乗客からは味の向上を求める声が株主総会などで聞かれ、会社側も検討課題の一つとして捉えていた。キットカットの無料提供など、ネスレ日本との提携は破綻後のサービス刷新を代表する取り組みだった。 今回のリニューアルでは、無料ドリンクサービスは現在の2種類から3種類に増やし、「スカイマークコーヒー by UCC」「就航地のオススメ」「アップルジュース」を提供する。 就航地のオススメは、茨城県の「さしま茶」を用意。茨城県西部の利根川流域にある猿島(さしま)台地のお茶で、濃厚な香りとコクが特長だといい、日本から米国へ初めて渡ったお茶だという。 ◆機内販売も地域PR 機内販売のお菓子は、兵庫県の「鴬ボール」(100円)、愛知県の「ミニしるこサンド」(100円)を追加。また、既存の「まめぼっくり」「チロリアン」「スカイも」は販売を続ける。 一方、機内販売品のうち「コカ・コーラ」「お~いお茶」「ナチュラルミネラルウォーター」「ネスカフェ ゴールドブレンド コク深め」「うず志ほ名産店 玉ねぎスープ」「プリッツ〈サラダ〉」の販売は2月29日で終了となる。 また、客室乗務員が機内サービス時に着用するエプロンと提供する紙コップのデザインを一新する。 スカイマークは2015年1月28日に経営破綻し、同年2月27日で上場廃止。民事再生手続きは2016年3月28日に終結した。コロナの影響で延期となったものの、2022年12月14日には東京証券取引所グロース市場へ再上場を果たし、2023年11月には筆頭株主が再生を主導した投資ファンド「インテグラル」から、フジドリームエアラインズ(FDA/JH)などを傘下に持つ鈴与ホールディングス(静岡市)に異動している。 スカイマークの洞駿(ほら・はやお)社長は、第2位の大株主であるANAホールディングス(ANAHD、9202)との関係は「大きく変わることはない」との見通しを示している。
Tadayuki YOSHIKAWA