篠山紀信に自らオファー 元キャンパスクイーンが脱ぐ理由
写真家・篠山紀信の平成最後の写真集といわれる「premiere(プルミエール)」シリーズだが、モデルは元キャンパスクイーンの結城モエ、松井りな、高尾美有。昨年12月に先行発売されたそれぞれのソロ写真集とあわせ、3人が一緒に写った今年1月23日発売のスペシャル版「premiere ラ・リューシュの館」で全4冊がそろった。24日には都内で篠山紀信氏とともに出版記念イベントを控える。大学卒業後、女優活動など新たな分野にチャレンジする中、ヌードとなった3人に話を聞いた。
確固たる自信、表現の核ほしかった
まずは、写真集の企画を発案したという松井に、そのきっかけについて聞いた。 「言うだけならタダかなっていう精神で、篠山先生に撮ってもらえたら嬉しいなんて言ったんですけど、まさかそれが先生の耳に入って実現するなんて。3人それぞれ、これから女優としてどうやって生きていくのか考えるなかで、それ以前に1人の人間として確固たる自信になるものがほしい、自分の表現の核になるものがほしい、と思っていたんです」 松井は、もともと写真が好きで、海外のヌード写真なども見ていたという。 「そのせいか私は、脱ぐことには抵抗がなくて。恥ずかしいとは思うんですけど。たとえばいまここで脱げって言われたら、脱げません。でも何か一つの作品として、いまある自分が持つ美しさを切り取ってもらえることに意味があると思ったし。一糸まとわぬ姿で、美しさだったり、もろさだったり、強さだったり、そういうものを表現して、観る人に何か伝わったら、一滴の潤いのようなもの、心動かすような何かになれたら面白いなって」
迷ったこと自体が恥ずかしかった
その後はトントン拍子に話が進んだというが、高尾は撮影前に一度、無理だと思ったと明かす。 「テスト撮影をしているときは平気だったのですが、いざそのとき出来上がった写真で自分のありのままの姿を見たとき、やっぱり怖いなと思っちゃって。写真が世の中に出て、みんなに見られることへの、女性としての怖さが勝っちゃったんです」 もともとチャレンジ精神旺盛で前向きな性格だそうだが、「人生まれにみる後ろ向きな気持ち」になってしまい、家族にも相談するなど悩み抜いた。 「母からは絶対反対されると思ったんですけど、『あなたが女優という道を選んだときから、そういうこともちょっとは覚悟していたから』って意外な返答で。私、電話切った後に泣いちゃって。私よりお母さんのほうが、なんで覚悟してるんだって」 そして篠山氏に正直な心境を打ち明けたところ、「たしかにそうだよな。それが普通の考え方だよな」と、ごく普通の人間の感情として話を受けとめてくれたという。 「でも、『本当に表現者としてやって行きたいのなら、やったほうが良い』と言ってくださって。それでも怖かったのですが、3人の撮影が始まる1週間から2週間前に、やっと覚悟ができたんです。そこからは揺るがずに臨めました。一流の方ばかりの現場に入ってからは、迷ったこと自体が恥ずかしかったな、と思いました」