韓国大統領の逮捕状、「6日までに執行」…大統領警護庁が執行を妨害する可能性も
【ソウル=仲川高志】韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領を内乱容疑などで捜査する高位公職者犯罪捜査庁(公捜庁)の呉東運(オドンウン)庁長は1日、ソウル西部地裁が発付した尹氏の逮捕状について、有効期限の6日までに執行すると明言した。報道陣の取材に答えた。
呉氏は逮捕状について、「原則に従って権限を行使する。期限内に執行するつもりだ」と述べた。執行日については、警察などと構成する合同捜査本部で協議中だとした。
昨年12月31日に、尹氏を警護する大統領警護庁に対し、逮捕状の執行を妨害すれば、特殊公務執行妨害などが成立するとする警告文を送ったことも明らかにし、「反対があっても適法な手続きを取る」と強調した。
尹氏は、12月14日に国会で弾劾訴追案が可決したため職務停止中だが、憲法裁判所が罷免(ひめん)の可否を判断するまで、現職大統領として警護を受ける。韓国メディアは大統領警護庁が逮捕状の執行を妨害する可能性もあるとの見方を伝えている。
合同捜査本部はこれまで、尹氏に3度にわたり出頭を求めてきたが、いずれも応じなかったとして逮捕状を請求した。尹氏の弁護士は「内乱容疑での捜査権がない公捜庁が請求した逮捕状は無効だ」と主張し、憲法裁判所に逮捕状の効力を停止する仮処分を申し立てている。