来年3月から、ドライバーの「交通マナー」が劇的に改善される!? その意外過ぎる理由とは
オンライン講習の恩恵と制限
マイナンバーカードと運転免許証の一体化が、2025年3月24日から始まる。この新しいシステムでは、マイナンバーカードのICチップに運転免許証の情報が記録される仕組みとなる。ただし、これは強制ではなく、希望者は従来通りの運転免許証を更新し続けることができる。 【画像】「やっぱりねぇぇぇ……」これが「マイナ保険証」に対する「世の中の声」です! 画像で見る(7枚) マイナンバーカードに運転免許証の情報を集約することのメリットのひとつは、 「更新時講習をオンラインで受講できる」 という点だ。優良運転者講習は30分、一般運転者講習は40分の動画を視聴する形式となっている。しかし、違反運転者や初回運転者はこのオンライン講習の恩恵を受けることはできない。 本稿では、特に違反運転者が抱える負担について詳しく解説する。オンライン講習の導入には、違反運転者への懲罰的な側面も含まれているため、その影響について考察する。
スマートフォンで簡単、講習受講の新時代
2025年3月に導入されるオンライン講習では、前述のとおり、 ・優良運転者講習:30分 ・一般運転者講習:40分 の動画を視聴する形式になる。一般運転者の場合、その後に運転適性診断と解説動画を視聴する必要があり、所要時間は1時間程度だ。 オンライン講習の最大のメリットは、場所や時間を問わず受講できることだ。 ・免許情報の書き換え ・写真撮影 ・視力検査 は引き続き警察署や運転免許センターで行う必要があるが、仕事帰りに自宅で講習を受けることができるのは運転者の負担を大きく軽減するだろう。 このオンライン講習はパソコンだけでなく、スマートフォンでも視聴できる。スマートフォンの場合、マイナンバーカードの読み取りに対応した機種が必要だが、現在ではマイナンバーカードの読み取りができない機種は少なくなっている。 パソコンで受講する場合は、カードリーダーが必要だが、これも家電量販店などで簡単に購入できる。
違反者に厳しい実地講習
外付けカードリーダーを購入する前に、まず確認すべきことがある。それは、自分が優良運転者、一般運転者、または違反運転者に該当するかどうかの認識だ。 一般運転者とは、過去5年以内に3点以下の軽微な違反を1回した運転者を指す。それ以上の違反があれば、違反運転者に分類される。この「過去5年以内に3点以下の軽微な違反を1回」とは、一時停止違反などの軽微な違反が1回であれば一般運転者として扱われ、2回以上の違反で違反運転者に区分されるということだ。 違反運転者や初回運転者に対するオンライン講習の導入予定はなく、これらの運転者は引き続き免許センターで2時間の講習を受ける必要がある(2024年11月27日時点)。 これらの講習がオンライン化されない理由は、運転ルールの習得を実地講習で徹底させるという警察庁および関係省庁の方針にあると考えられる。デジタル庁も、すべての交通関連講習をオンライン化する方針を示していない。実際、 ・停止処分者講習 ・取消処分者講習 ・飲酒取消処分者講習 においても、座学のオンライン化に関する議論は行われていない。もしこれらの講習がオンライン化されるようなことがあれば、世論の反発を招く可能性が高いだろう。このような方針が結果として、違反運転者に対する懲罰的な対応につながっている。