秘書の彼女は「経済的に自立している」と結婚を決めた30歳の息子。秘書の年収やスキルは一般事務と違うの?
秘書は、社長や役員など、おもに企業や団体の幹部をサポートする職業です。幹部の近くで働くぶん、収入がよい印象を抱いている人もいるかもしれません。 一方、業務内容はメールチェックやスケジュール管理、電話対応などで、一般的な事務員と重なる部分もあります。実際には年収がどの程度か、気になる人もいるでしょう。 今回は、秘書の平均年収や、求められるスキルなどについて、事務員と比較しつつ解説します。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
秘書の平均年収は約480万円
厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、従業員10人以上の企業に勤める「秘書」の平均月収は32万6900円、平均年間賞与は83万5700円です。年収を「平均月収×12ヶ月+平均年間賞与」とすると、475万8500円になります。 一方、従業員10人以上の企業に勤める「総合事務員」の平均年収を、先と同じ方法で計算すると、510万8900円です。したがって、秘書の平均年収は総合事務員よりも35万400円低いことになります。 なお、ここでいう総合事務員とは、仕事内容に限定がなく、各種の事務業務に従事する者を指します。一方、受付事務員や電話交換手など、担当領域が明確な職員は総合事務員には含まれません。 そのため、すべての事務員を対象とした平均年収は、今回ご紹介した金額とは異なると考えられます。また、平均額は勤め先の規模や所在地などによって変動する可能性がある点にもご注意ください。
秘書に求められるスキルと関連資格
秘書に求められるスキルは、気配りや記憶力、パソコン操作、事務処理などです。外資系企業では、語学力が必要な場合もあります。 事務員との違いは、特定の個人をサポートする技術が重視される点でしょう。また、複数人体制が基本の事務員に対し、秘書は1人の企業も多いとされます。そのため、1人が担う業務範囲が広い傾向にあるようです。 資格や学歴は問われませんが、「秘書検定」と「CBS(国際秘書)検定」という関連資格があります。 ■関連資格1:秘書検定 「公益財団法人実務技能検定協会」が主催する秘書検定では、社会人としての一般常識とともに、秘書としての「感じのよさ」が問われます。 具体的な審査内容は、「なにに気を遣い、どのように対応すればよいか」「上司から相談を受けたり、後輩からアドバイスを求められたりした際、的確に答えられるか」などです。3級、2級、準1級、1級があり、3級、2級は筆記試験、準1級と1級は筆記試験と面接試験が実施されます。 ■関連資格2:CBS(国際秘書)検定 CBS(国際秘書)検定は、「一般社団法人日本秘書協会」が主催する検定で、業務能力に加えて一定の語学力が求められます。試験は「プライマリー試験」と「ファイナル試験」があり、ファイナル試験を受験するためには、プライマリー試験に合格しなければなりません。 プライマリー試験では筆記試験が、ファイナル試験では筆記試験と英語での個人面接が実施されます。秘書検定と比較すると、記述問題の割合が多い傾向があります。 また、一般社団法人日本秘書協会によれば、プライマリー試験のビジネス実務(日本語)は、秘書検定の2級から準1級程度に相当するとのことです。