カニ漁6日解禁、輪島の漁師「やるしか」 休漁続き、なりわい再興へ決意
6日解禁のカニ漁に向け、石川県内各地の漁港で4日、漁業関係者らが網を手入れしたり、船に氷を積み込んだりと準備が着々と進められた。能登半島地震で海底が隆起し、休漁が続いていた輪島港では、ようやく出番を迎える漁師たちが「やるしかない。がんばらんと」と、なりわい再興への決意を口にした。 輪島市小型底引き組合では、組合所属の38隻のうち約30隻が操業する予定で、港に設置された仮桟橋から、ベルトコンベヤーやパワーショベルを使ってズワイガニを水揚げする。 「竜伸丸」の逢坂伸司船長(35)=輪島市鳳至町=は祖父の代から漁師。この季節は1年の中でも稼ぎ時だが、地震で海底の地形が変わって生態系も変化している可能性があり、どれだけの漁獲があるか見通せない。逢坂さんは「漁に出られることはうれしいが、分からないことが多く不安もある」とこぼした。 ●金沢港でも準備 金沢港でも漁師が専用のロープや網を船に積み込んだ。ズワイガニのブランド「加能ガニ金沢」「金沢香箱」のタグを運ぶ漁業者の姿も見られた。 金沢や加賀、輪島など各漁港から5日夜に漁船が出港し、6日午前0時の解禁と同時に漁を開始する。同日午後に帰港し、夜に初競りが行われる。 競りに合わせて、各漁船が厳選したズワイガニの雄、加能ガニを対象とした「蟹-1グランプリ」、雌の香箱ガニの「姫-1グランプリ」が県漁協かなざわ総合市場と加賀支所で開催される。漁期は雌が12月29日、雄が来年3月20日まで。