最後の初売り大盛況 長野県松本市の井上本店や松本パルコで
長野県松本地方の大型商業施設や商店街で、新年恒例の初売りが始まっている。2日は、松本市の中心市街地にあり、いずれも今年閉店する松本パルコ(中央1、2月末閉店)と、井上本店(深志2、3月末閉店)で最後の初売りがスタートし、両店とも午前10時の開店前にはそれぞれ100人以上が詰め掛け、にぎわいを見せた。 井上本店では、午前7時半には早くも開店待ちの客が訪れた。多くが創業140周年を記念した1万4000円の「大入福袋」が目当てといい、開店時には100人ほどが列をつくった。最初に並んだ市内波田の女性(80)は「最後だからどうしても来たかった。ここ数十年、井上本店で福袋を買うことが一年の始まりだった」と惜しんだ。 井上やパルコ周辺の中心市街地は2日、両店を訪れる大勢の人通りでにぎわった。おいと井上を訪れた村山潤さん(61)=松本市沢村2=は「パルコも閉まり、松本の街は変わりますね」と今後を心配していた。 松本パルコでは、若い世代から年配まで大勢が行列をつくり開店を待った。店内に福袋が並んだほか、商品が割引となるグランバザールが、この日スタート。入り口が開くと、来店者は目当ての売り場へ足早に進んだ。 行列の先頭に陣取った諏訪市の会社員・岡田遥人さん(21)は午前4時ころに到着した。目当てのアニメ関連グッズを購入し「買えて良かった。パルコは思い出のある場所。閉店は寂しい」と残念がった。 女性服を扱う1階のテナントは多くの買い物客でにぎわった。茅野市の会社員・矢澤江莉子さん(30)はニットのセーターを購入。10~20代のころ、パルコによく来たと振り返り「かわいい洋服を買ったことが思い出」と懐かしんでいた。
市民タイムス