出産後のお母さんへ特別な贈り物…子育てママらが創る「小説つきコーヒー」この夏販売 「自分に還るひとときを届けたい」
発想のきっかけは自分の誕生日祝いに贈られた入浴剤セット
2023年1月、臨月を迎えていたゆうこさんは、Ⅹにある投稿をした。それは誕生日のお祝いに贈られた入浴セットを個包装しているラベルの裏にエッセイが書かれた商品から閃いて「紅茶とかコーヒーのパックの裏に、2~3分で読めるエッセイとかあったらおもしろいかも?」という、何気ない一言だった。 それに対して、知人から「小説がついたコーヒーをつくりませんか?」と声を掛けられたことが発端となり、先述のあやこあにぃさんとりさこさんが加わって、小説つきコーヒーの開発プロジェクトが動き始めた。 ゆうこさんとあやこあにぃさんが候補作品を書き、出産を経験した女性を含む数人の女性モニターから意見を聞いて、3作品が選ばれた。その作品のイメージに合わせて、りさこさんがパッケージをデザイン。コーヒーは「極・馨 Gokkoh」にコラボ商品を提案して、3種類のフレーバーを選んだという。 あるていど商品の形になってきた今年の春頃から、イベントやフリーマーケットに出店するようになり、評判は上々だという。現在はネット販売を開始するための準備を進めているそうだ。 「発売開始は、7月の下旬頃になりそうです」 6月には屋号を「Cafe Sonar(カフェ ソニャール)」と決めた。「ソニャール」は、スペイン語で「夢を見る」という意味だ。小説つきコーヒーの「忙しい現実から離れたひと時を提供したい」という意味合いと、ママに自分の夢を見てほしいという意味を込めたという。 商品のラベルは「Cafe Novel」とあるが、すでにSNSでは「小説つきコーヒー」として知られているため、通常は「小説つきコーヒー」と呼んでいるそうだ。 作品の中身は購入前に読むことができる。ただ、フレーバーとの組み合わせはあらかじめ決まっているため、作品で選ぶかフレーバーで選んでほしいとのこと。
自分を諦めないで!
ゆうこさんには、ひとつの想いがあった。 「子供の名前をとって『〇〇ちゃんママ』という呼ばれ方はイヤだなという気持ちが、妊娠中からありました。ゆうことしての時間は、やっぱり必要だなって」 出産後、夜泣きする娘さんを抱きながら「私がどこかへ行っちゃった」と思うこともあったという。そんな中、小説つきコーヒーの開発に割いている時間だけは、「母」の立場から「ゆうこ」個人に還っている貴重な時間であり、気持ちの支えになっていたそうだ。 「世のお母さん方は、みなさん忙しくて大変だと思うんですけど、自分が熱中できたりワクワクできたりすることを見つけてほしいと思っています」 「そんなことは無理」と諦めず、自分を癒せる何かを見つけてほしいというゆうこさん。小説つきコーヒーの次の構想も少しずつイメージを膨らませているそうだ。 小説つきコーヒーのネット販売を成功に導けば、子育てに追われるお母さんたちに勇気を与えられるかもしれない。 (まいどなニュース特約・平藤 清刀)
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