たった1年で総フォロワー100万人突破! 「こねこフィルム」を手掛ける“兄弟クリエイター”が明かす「話題作に必要なのは役者の“知名度”ではありません」
いまTikTokやXなどSNSで注目を集めている新進気鋭の動画制作チーム「こねこフィルム」。あなたはもう、その作品を見たことがあるだろうか。ご覧になれば分かるのだが、妙に社会風刺の効いたテーマもさることながら、つい目を奪われるのが俳優陣の抜群の演技力。気が付くと再生ボタンを押す手が止まらなくなる中毒性のある作品群は、いったいどのように、何を目的として作られているのだろうか。チームを率いる三野龍一さん(35)と、三野和比古さん(30)に話を聞いた。 【写真を見る】お馴染みの顔が勢揃い 6月8日に行われた「1周年記念パーティ」の様子 ***
1分半の“超短編”なのに、役者の演技に目が釘付けに
「こねこフィルム」を手掛ける2人は実の兄弟で、兄の三野龍一さんは映画監督、弟の三野和比古さんは脚本家とWebマーケティングの業界でキャリアを積んできた。「合同会社こねこフィルム」には2人が共同代表として名を連ねている。 「最初の動画を投稿したのが去年の6月9日でしたので、ちょうど今月で1周年を迎えました。8日にはお世話になった関係者やスポンサーの皆さんをご招待し、俳優の皆さんとの交流イベントを催しました。今後はこうした機会も増やしていければ」(和比古さん) 「日常をシネマティックに」の合言葉でTikTok、Instagram、YouTube、Xに動画をアップし続け、今やSNSの総フォロワー数は100万人を突破。作品はだいたい1分半から2分ほどの“超短編”が多いが、中にはシリーズ展開するものもあり、見飽きない。 特に人気が出た作品の1つに「年齢確認」という、コンビニを舞台に繰り広げられるドラマがある。登場人物は何通りかのパターンがあるが、特にバズったのが赤間麻里子さん演じる客と、半田周平さん演じるコンビニ店員の掛け合いだ。 赤間さんは実年齢が53歳。作中の役柄もワインの好きそうなマダム、といった風貌なのだが、赤間さんがレジにお酒を持っていくと、店員の半田さんから「年齢確認いいですか?」と呼び止められる。 「え、いる?」とムスっとした表情の赤間さんに対し、 「決まりなので」と引かない半田さん。 視聴者は当初、「“紋切型”の対応しかできない店員を暗に批判する内容」なのかと思いつつ動画を進めるのだが、その先に待っているのは斜め上の展開である。 実は、半田さんは赤間さんのことを本当に17歳だと思い込んでいるようなのだ。 「バカにしてるんでしょ? 感じ悪いわよ」と声を荒らげる赤間さんだったが、 「未成年の時からお酒飲んだら、頭がダメになっちゃうよ」と本気で心配する様子の半田さんに、赤間さんの態度も次第に変わっていって――。 未見の方はぜひ実際にご覧頂きたいのだが、赤間さんの演じ分けが実に素晴らしい。53歳の赤間さんの表情が、いつの間にか本当に17歳のように見えてくるのである。