大雨で被害の山形・鮭川村の旅館 営業再開のめど立たず 周辺の対策工事完了は来年度末の見通し
山形放送
ことし7月の大雨で大量の土砂が流れ込む被害が出た山形県鮭川村にある羽根沢温泉の旅館は、現在も営業再開のめどが立っていません。こうした中、周辺で県が計画する対策工事の完了は、来年度末になる見通しであることがわかりました。 鮭川村の山あいにある羽根沢温泉。3か所ある旅館のうちの一つ「ホテル紅葉館」では、7月の大雨の際、裏山の斜面で土砂崩れが発生し大量の土砂が敷地や建物に流れ込みました。 ホテル紅葉館・元木洋典専務「土砂も流入しているので撤去、清掃など含めれば再開のめどは立たない」 ホテル裏側に流れ込んだ土砂の撤去は9月に完了しました。 ホテル紅葉館の元木専務はYBCの取材に対し、これまで「この場所での営業再開を目指したい」とする一方で、再び土砂崩れが発生する恐れがあることから「利用客や従業員の安全が確保されなければ、旅館の移転も含めて検討しなければならない」と話しています。 元木専務「この危険が取り除かれない限りはこの場所での再建は厳しい。少しでも早く(県による対策工事を)やっていただきたいというのが本音」 こうした中、県は9月上旬から、土砂崩れ対策として設置されていたダムにたまっていた土砂の撤去を開始。10月上旬には土砂が取り除かれました。 県によりますと、再発防止の対策として現場周辺では来年4月以降、すでに設置されている高さ6・5メートルの土砂崩れ対策のダム2基とは別に、高さ8メートルから9メートルの新たなダムの建設を計画しています。また、それと並行して、土砂崩れの発生源となった崩落した斜面の対策工事に着手する方針です。 工事全体の完了は来年度末までかかる見通しだということです。 県は31日夜、土地の所有者などを対象に工事に関する説明会を開いています。