米大統領選挙で共和党候補のドナルド・トランプ前大統領と民主党候補のカマラ・ハリス副大統領は共に対中国貿易に強硬な立場を見せながら有権者に支持を訴えている。しかし帽子やティーシャツなどキャンペーン商品は中国産ばかりだ。 ボイス・オブ・アメリカ（ＶＯＡ）放送の報道によると、１１月５日に行われる米大統領選挙が迫る中、多くの有権者が中国産の帽子やシャツなどキャンペーン用商品を着用している。Ｔｅｍｕなど電子商取引プラットホームを通じて中国企業は米大統領選挙商品市場に定価の１０分の１水準の低価格商品を出しているからだ。 ２０１６年から大統領選挙キャンペーン用シャツなどを生産してきた米国の衣類会社アメリカンルーツの設立者ベン・ワクスマン氏は、米国で製作した選挙キャンペーン用シャツは１枚あたり１５ドル（約２３００円）で販売される半面、中国電子商取引プラットホームＴｅｍｕでは同じ中国産製品を３ドルなら購入できると話した。 ＶＯＡが確認した結果、トランプ氏の大統領選挙のスローガン「米国を再び偉大に」（Ｍａｋｅ　Ａｍｅｒｉｃａ　Ｇｒｅａｔ　Ａｇａｉｎ）の文字が入った帽子は公式販売価格４０ドルの１０分の１にもならない４ドル未満でＴｅｍｕで売られている。 「カマラ・ハリス２０２４」の帽子はＴｅｍｕで３ドルにもならない価格で販売されていた。ハリス陣営の公式販売ウェブサイトでは４７ドルを出さなければ購入できない。 中国に対する貿易障壁を高めるべきという公約を掲げた候補を支持しながら、中国産製品を着用して応援するというアイロニーな状況になっているのだ。 こうした現象が生じるのは中国企業の高い価格競争力、候補陣営が製品に知識財産権を適用して統制しない点、米国が個人が一日に輸入する製品が８００ドルを超えない場合は関税を賦課しない免税限度規定を適用している点などが複合的に作用したためとみられると、ＶＯＡは分析した。