4連覇達成のフェルスタッペン、レッドブル離脱は考えていたのか? 内紛とライバル猛追に苦しんだ2024年を回顧
F1ラスベガスGPでレッドブルのマックス・フェルスタッペンはドライバーズタイトルの4連覇を決定。タイトルを防衛したチャンピオンはチームが厄介な政治的トラブルに襲われる中、どう考えていたのかを明らかにした。 【動画】歌舞伎+F1! ラスベガスGPパブリックビューイングで市川團十郎が、F1テーマに乗って登場 フェルスタッペンは今シーズン序盤戦を圧倒しタイトル4連覇は確実だと見られていたが、シーズン中盤以降は失速。マクラーレンのランド・ノリスが追い上げを見せるようになった。 ただフェルスタッペンはリードを守り、ラスベガスGPで王手をかけた。そしてラスベガスGPではノリスより前となる5位でフィニッシュし、F1の4連覇を達成した。 そんなフェルスタッペンだが、2024年はコース外でも大変な1年だった。チーム代表による女性従業員に対する不適切な行為があったという疑惑によって、開幕前からレッドブルの内部対立が激しくなってしまった。 彼の父であるヨス・フェルスタッペンもこの内紛に巻き込まれたが、フェルスタッペンはこの件について「厄介」だと表現していた。 レッドブルの内紛問題はメルセデスによるフェルスタッペンの引き抜きを狙った動きも引き起こした。トト・ウルフ代表はフェラーリ移籍で離脱するルイス・ハミルトンの後任として、フェルスタッペンを獲得したいという意向を隠さずに示していた。そしてフェルスタッペンもレッドブルの内紛を嫌い、メルセデスに移籍するのではないかという疑問も浮かび上がっていた。 そして4連覇を成し遂げたフェルスタッペンは、今シーズンを振り返ると彼の持つ選択肢について考えを巡らせていたことを認めた。しかし今ではレッドブルに対しての信義は厚いと述べている。 レッドブルを離れメルセデスへ移籍する、あるいはF1を辞めることを考えたことはあったか?という問に、フェルスタッペンはこう答えた。 「人生においては、『いつまでやりたいんだろう? どこでそれをやりたいのか? 自分はどうしたいんだ?』といったようなことが、頭をよぎることはあると思う」 「もちろん、私生活でもそういったことは起きる。レース人生でも、常に対処しなくてはならないこと、考えなくちゃいけないことがある」 「でも大丈夫だ。レース人生とプライベートな生活を分けることはとても重要だから、そういうことについてはかなりリラックスできているんだ」 「とはいえ、自分のやりたいことについて頭の中で考える分には問題はない」 「そして同時に、僕はあまり思い切った決断をするのは得意なタイプじゃないんだ。今僕のいるところにとても満足している」 「チームに対する信義は厚いよ。F3から引き上げて貰ってF1シートを用意してくれたことや、チームの主要なメンバーと長い間、色々な思いを分かち合ってきたし、皆が僕のためにしてくれたことに感謝している」 「辛い時期にサヨナラをしたり、忘れたり無視したりするのは簡単だ。でも僕はそれに向き合って、一緒に乗り越えて対処し、そこから前に進んでいこうとすること、パフォーマンスに焦点を当てて楽しむことのほうがより重要だと思う」 「それが結局一番大事なことだ。楽しくなければ、続ける意味はないんだ」 クリスチャン・ホーナー代表はラスベガスGPで4連覇を果たしたフェルスタッペンに対して“キャリア最高の勝利”と賞賛していた。フェルスタッペンとしても苦しいシーズンを過ごしたこともあり、そうした言葉には「僕もそう思う」と同意している。 「昨年の僕らは支配できるクルマを手にしていたけど、誰もがチームとして成し遂げた10連勝を評価しているわけではないと常に感じていたんだ」 「もちろん僕らのマシンは圧倒的だったけど、皆が思っているほどではなかったんだ。2023年のことは常に思い出すだろう。完璧なセットアップではなくても、レースでは常に強くてレースに勝てる力があった」 「でも今シーズンを僕はとても誇りに思っているんだ。なぜならシーズンの大部分、70%くらいで僕らは最速のマシンではなかったにもかかわらず、実際にはリードを広げることができたんだ。そこは間違いなく僕が誇りに思っていることだ」
Ben Hunt