高校日本代表・小倉全由監督が語る「世界大会連覇への秘策」! チーム構想、注目選手、木製バットの対応力は?
高校日本代表の一次候補合宿が4月4日から3日間、奈良県で行われた。投手では髙尾 響投手(広陵)が参加投手最速となる147キロの速球、130キロ台のスプリットのコンビネーションで2回無失点のパーフェクト、打者では箱山 遥人捕手(健大高崎)、正林 輝大外野手(神村学園)が本塁打を打つなど、センバツ組がアピールに成功した。チームの指揮を執る小倉全由代表監督はドジャース・大谷 翔平投手(花巻東)などがいた2012年以来の代表監督就任となる。 ◆【一覧】高校日本代表一次候補39人 小倉監督は今年開催されるアジア大会に向けて、どんなチーム作りをしていくのか。そして選手たちにどんなことを求めているのか。 3日間の取材で語った小倉監督の考えを紹介したい。
インプレー中のガッツポーズはやめろ!
ーー 監督が求めるチーム像を教えてください。 小倉全由監督(以下 小倉監督) やはり足を使った野球です。木製バットがあるので、なかなか飛ばない。「小倉というと、もう打つしかない」なんて周りから言われてるんですけどね。日大三の例を挙げると、2011年、夏の甲子園で優勝したチームは打つだけではなく、ランナー二塁にいた時はワンヒットで還ってくれる走塁を選手たちはしっかりとやっていました。ホームランも出ましたけど、ヒットの延長線の結果だと思っています。 やはり木製バットを使った野球でアジア大会、世界選手権で勝つには足を使うしかないと思います。守りでは足と肩がある野手を揃えて、最少失点に抑えていきたい。 ーー 足を大事にする上で、選手たちに求めていることは何でしょうか。 小倉監督 甲子園に出場した選手たちに話をしたことなのですが、この何年かの甲子園を見ていると自分の打球を見て、すぐガッツポーズをしてしまう。ガッツポーズがいけないのではなく、タイムリーや長打を打って、インプレー中なのにボールを目を切って、ベンチに向かってガッツポーズ。これはいらないだろうと思っています。 この話はこの合宿に参加している選手だけではなく、全国の高校球児にも聞いて欲しいと思っています。インプレー中は絶対に目を切らず、次の塁を伺うことを大事にしてほしいです。 判断力をつけるために、紅白戦ではコーチャーズボックスに、あえてランナーコーチをつけないで、「自分の判断で次の塁をうかがうのを見せてよ」と話をしました。 ーー 今年の選手たちを見て感じたことはありますか。 小倉監督 甲子園で見ている選手たちが多いですが、1人1人を近いところで見ると良いものを持っています。じっくりと観察すると、無駄な動きが見られます。この部分を改善すれば、もっと良くなるなと思っています。一人一人の個性を出していきたいですね。