OpenAIは、ほぼ非営利だった数年を経て、完全な営利目的企業へと改編したいと考えている。

OpenAIが営利目的企業へと改編し、非営利団体の理事会による管理から離れることを計画している。 数人の主要幹部がここ数カ月で、OpenAIの将来を懸念して退社している。 同社の元および現従業員が、最近の変化について述べていることをここに共有する。 OpenAIにとって激動の1週間が過ぎ、元・現従業員たちが同社の先行きについて論争を繰り広げている。 OpenAIのチーフ・テクノロジー・オフィサー（CTO）のミラ・ムラティ（Mira Murati）、トップ研究員のバレット・ゾフ（Barret Zoph）とボブ・マクグルー（Bob McGrew）が退社すると2024年9月25日に発表した。その翌日、OpenAIのCEO、サム・アルトマン（Sam Altman）は、営利目的企業として改編し、そのルーツである非営利組織という形態を捨て去ることを検討中だという報道を認めた。 OpenAIはこれまでのところ、改編について沈黙を守っている。公式な声明は発表していないが、会社が「次のステージへ進むために必要なこと」の1つとして考えているとアルトマンは9月26日、イタリアン・テック・ウィーク（Italian Tech Week）で述べた。営利目的企業への動きは、新たな投資で数十億ドルを調達しようとしていることとも一致する。 こうした動きが、OpenAIの内部事情にどんな意味があるのか、部外者は不思議に思っている。他の著名幹部や研究員数名も最近同社を去ったこともあり、疑問は深まっている。 OpenAIを去る従業員数人によると、社内には以前から懸念があり、営利目的企業になることでその懸念が確信に変わることになるという。それは、アルトマンは安全よりも利益を優先している、ということだ。 OpenAIが創業時から掲げてきた使命は、安全かつすべての人に恩恵をもたらす方法で、人間のように推論できる、今はまだ理論上の AIである汎用人工知能（AGI）を開発することだ。その使命の一部分に対する同社のコミットがここ数年、論点となっている。 OpenAIの安全担当リーダー、 ヤン・ライク（Jan Leike）は5月、退社することを発表し、Xで「この研究をするのに世界で最も良い場所」だと思っていたと述べた。だが退社するころには、核となる優先事項に対するOpenAIのリーダーシップには「限界」を感じていたとライクは述べている。 元ポリシー・リサーチャーのグレッチェン・クルーガー（Gretchen Krueger）は、同社の非営利の統治体制と利益に上限を設けていたことが2019年に入社した理由でもあったと述べた。その年、OpenAIは営業部門を新設した。「それは誤った方向への1歩のように思えた。我々に必要なのは、正しい方々への歩みだというのに」とクルーガーは9月29日にXで述べている。 クルーガーによると、OpenAIの公益企業、つまり社会的利益を生み出すことを目的とした営利企業への以降を試みるだけでは、不十分だという。汎用人工知能の最大の開発者の1つであるOpenAIには、「使命の達成をより確実にするもの」が必要だとクルーガーは書いた。 だが現従業員のほとんどは、会社の方針に従っている。少なくとも、表向きは。 研究員のノーム・ブラウン（Noam Brown）は、会社が研究に集中していないとは考えていない。「o1モデルに従事している我々は、部外者がOpenAIは研究をないがしろにしていると主張するのを聞いて、変だと思っている。絶対に、その逆だ」とブラウンは9月27日、Xで述べた。