金メダリストのNBAスターも応援に クラークは待望の地元大会で逆転なるか
◇米国男子プレーオフ第2戦◇BMW選手権 3日目(24日)◇キャッスルパインズGC(コロラド州)◇8130yd(パー72) 【画像】パリ五輪で松山英樹と同組でプレーしたウィンダム・クラーク 昨年「全米オープン」でメジャー初優勝を飾ったウィンダム・クラークがクラブを握ったのは3歳の時だった。母リサ・テベネットさんは、3つ年上の姉と生まれたばかりの弟に挟まれた長男を屋外で遊ばせようと、車を走らせていたところ、たまたまゴルフ場を見つけた。 「ここなら、しばらく放っておいても大丈夫かしら…」。予感は的中。ウィンダム少年はそこで2、3時間ボールを打ち続け、2カゴを空っぽにしたという。乳がんで2013年に他界した母と、故郷のコロラド州デンバーでの思い出だ。 プロゴルファーを志すようになった小学生時代、クラークはバスケットボール選手としても名の知れた存在だった。当時、ライバルチームで互いにガードのポジションで争っていたのは、ことし16年ぶりにNBAで優勝したボストン・セルティックスのデリック・ホワイト。 「僕はチェリークリーク、彼はドルフィンズというクラブチームだった。決勝戦はいつも僕たちと、彼らのチームの対戦。D(デレック)とは高校の時も何回も対戦した」。3週前の「パリ五輪」で金メダルも獲得した仲間が誇らしくてたまらない。「彼がバスケットボールで、僕が自分のスポーツ(ゴルフ)で最高レベルに立った。コロラドの2人の子どもがこうなるなんて、滅多にないだろう?」 同州でPGAツアーが開催されるのは10年ぶり、キャッスルパインズGCでは「ジ・インターナショナル」以来20年ぶりだ。クラークが「1000人近く知り合いがいそうだ」という待望の地元大会の群衆の中には、そのホワイトもいる。わざわざ会場にNBAのトロフィと金メダルも持参してきてくれた。 10位から出たムービングデー、後半17番(パー5)のイーグルを含む「69」で回り、通算7アンダーの5位に浮上した。「優勝争いに加わるのが僕とキャディの目標だった。あしたどうなろうとも、今週は少なくともホームタウンでのプレッシャーとも戦ってきた。このコースは伸ばせるホールも、大たたきをするホールもある。トラブルを避けて、バーディホールを獲っていければ、抜け出せる」。首位キーガン・ブラッドリーとは5打差だ。(コロラド州キャッスルロック/桂川洋一)