いっぱいいっぱいのママへ。頑張らなくてもすごいんだよ…心を軽くする絵本
育児疲れ、ストレス、孤独……。インターネットやSNSには、孤軍奮闘する母親たちの切羽詰まった声と、男性や社会の育児に対する“温度差”から生じた不協和音であふれています。こうした中、お母さんたちを応援したいと、子育て中の母親を主人公にした絵本が3月末出版されました。 産後うつ サポート活動をする女性の壮絶体験 絵はイラストレーターのミシエル・カーラーこと、俳優の唐橋充さん(40)、ストーリーは涙活プロデューサー・寺井広樹さん(37)が手がけています。「我々は男性なので言葉足らずなところがあれば、ごめんなさい。でもママはすごい、かなわないなって気持ちを伝えたい」と作品にこめた思いを話しています。
主人公は、子育てに自信が持てない「ママ」
絵本のタイトルは『ナミダロイド』(辰巳出版)。4歳と赤ちゃんの2人の男の子を育てる母親が主人公です。 洗濯、料理、掃除。朝から深夜まで毎日繰り返される家事と育児。主人公は一日中「ママ」でいることをがんばっていましたが、あるとき、どちらの子供にも応え切れない「ダメなママ」という思いが抑えきれず、堰を切ったように大泣きしてしまいます。すると翌日、玄関前に小さな箱が。中を開けると、涙の理由を教えてくれるロボット「ナミダロイド」が入っていて……と、物語は展開していきます。 「育児が始まってから社会の接点がなくなって、ストレス、孤独を感じている、自分の子育てに自信を持てないお母さんが本当に多いと思いました」と寺井さんは創作のきっかけを説明します。 寺井さんは、涙を流すことで心のデトックスを図る「涙活」に取り組んでいます。2年前、唐橋さんと絵本を作ることになり、初めは、涙に出会うたび成長するロボットの話を想定していました。ところが、母親対象の「ママ涙活」を通し、「絵本にママたちの思いを反映できないか」と考えが変わったといいます。 「涙があるところに人の成長がある。漫画『ドラえもん』も実は主人公が人間ののび太君であるのと同じように、『ナミダロイド』もロボットではなく、お母さんが成長する物語にしたかったんです」。ストーリーをつくるにあたり、ママ涙活の参加者100人がアンケートや意見を出して協力しました。