「今すぐ就活へ動いて」…Fラン大学生が〈高学歴ばかりの難関企業〉から早期内定をもらう“意外な方法”【キャリアコンサルタントが助言】
学歴フィルターは事実上「存在する」が…
学歴フィルターについて、「ある」と公言する企業はもうありません。「採用は人物重視、学歴は関係ない」と発信している企業がほとんどです。一昔前に問題となった「自分が会社説明会のWEB予約を取ろうとしたら満席表示だったのに、難関大生のマイページからは予約できた」という事例も、現代では大炎上間違いなしのため、ここ数年は聞くことがありません。そのため、学歴フィルターは都市伝説のようなものだと思っている就活生の皆さんもいるのではないでしょうか。 しかし、建前上はそうであっても、実際に学歴フィルターはあります。大企業や就職倍率が100倍超のような大人気企業では、あまりにも応募者が多いため(エントリー者数が1万人を超える企業もある)、書類選考だけでも膨大な時間を要します。そのため、フィルターをかけて足切りするようにしないと、選考できないからです。
学歴フィルターは気にせず、「優秀層」スケジュールで動くことが重要
結論はこれです。そんなものは気にしないで、「優秀層」スケジュールで動くこと。夏のインターンシップや合同会社説明会に今すぐ応募しましょう。 企業からすれば、採用の公平性を疑われてSNSで炎上するのは大ダメージですので、あからさまに大学名だけで門前払いするような企業はごく少数です(SNSで社長が公言して炎上するくらい)。運悪くそういった企業に応募してしまっても、選考で落ちた理由を就活生側は把握できませんので、気にするだけ無駄です。 そもそも学歴フィルターとは何のためにあるのでしょうか? 今や常識ですが、学歴が高いからといって=会社にとって有益な人材、とは限りません。優秀の定義は業界や企業によって異なるほど幅広いですし、高校や大学時代にテストの成績が良かったことと、仕事で成果を出し続けられることは決してイコールではないからです。 難関大生の就活生は、多感な時期を様々な誘惑に耐え、難しい入学試験を突破しているため、「=努力をしてきた、これからもできると思われる人」であることは確かです。それに、状況把握力や仕事の理解力、問題解決力や論理的思考といった能力が比較的高いのも事実です。ですが、それだけです。社会人になってからも努力し続けられるかは未知数ですし、これまでの能力をこれからも発揮できるとは限りません。これらはあくまでも「難関大生の就活生は、そういった能力があると思われる比率が高い」というだけです。 学歴だけで、その人の能力は測れません。これまでの学力という能力の一端が見られるかも、程度です。なので学歴フィルターに気を取られることなく就活を進めましょう。仮に選考に落ちた要因分析にしようとしても、失敗を活かす糧にすらできません。気にしない気にしない。 森田 昇(もりた のぼる) キャリア開発・DX講師、ITベンチャー企業の外部人事部長 キャリアコンサルタント、中小企業診断士。一般社団法人リベラルコンサルティング協議会代表理事、日本能率協会マネジメントセンターパートナー・コンサルタント。 IT業界20年の経験と転職10回したつまずきを基に、キャリア開発・DXの研修講師として100社以上に研修を実施、再就職支援セミナーをハローワークで100回超開催。キャリアコンサルタントとして学生含めて約2,000人の転職と再就職・就活支援を行う。またITベンチャー企業の外部人事部長として新卒・中途採用に携わる。 著書に『売れる!スモールビジネスの成功戦略』(明日香出版社、2020年)、『年収300万円から脱出する「転職の技法」』『生涯収入を最大化する「就活の技法」』(どちらも日本能率協会マネジメントセンター)がある。