NHKスペシャルに憤慨〝非情すぎる〟旧ジャニーズの対応 暴露本を出した被害者家族に「誰が何を謝るんだ…」
記事が気に入らないからと、筆者はメリー氏に事務所に呼び出され、数時間監禁された過去があるが、辞めたタレントに対する憎悪は「裏切り者」扱いどころか、差別用語を出すほどの容赦ない蔑(さげす)みようであった。同社担当者の資質の問題と捉える人もいるかもしれないが、筆者は「それこそがジャニーズの組織的DNA」だと確信する。
今回、補償本部長は解任された。とはいえ、その非情さは、世間とはかけ離れた本人たちが気づいていないだけにかえってたちが悪く、結果、被害者を二重に傷付けているのである。
■中村竜太郎(なかむら・りゅうたろう) ジャーナリスト。1964年1月19日生まれ。大学卒業後、会社員を経て、95年から文藝春秋「週刊文春」編集部で勤務。NHKプロデューサーの巨額横領事件やASKAの薬物疑惑など数多くのスクープを飛ばし、「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」の大賞受賞は3回と歴代最多。2014年末に独立。16年に著書「スクープ! 週刊文春エース記者の取材メモ」(文藝春秋)を出版。現在、「news イット!」(フジテレビ系)の金曜コメンテーターとして出演中。