【注目ドライバー】ハースでは円熟の走りを披露…一発の速さも健在、36歳ニコ・ヒュルケンベルグ|ハース|F1
2023年よりハースに加入。チームの復活を託されたドイツ人ドライバー、ニコ・ヒュルケンベルグに注目する。
輝かしいキャリアを築いて最高峰のF1へ
オランダ国境に接するドイツ・クレーヴェ郡出身のニコ・ヒュルケンベルグ。10歳でカートの世界に足を踏み入れると、15歳でドイツ・ジュニア・カート選手権チャンピオンに輝き、フォーミュラの世界へとステップアップした。 2005年、18歳のヒュルケンベルグは若手の登竜門であるフォーミュラ・BMWで初参戦ながらチャンピオンを獲得。このシリーズには、後にF1でも競い合ったセバスチャン・ブエミやセルジオ・ペレスも名を連ねていた。 その後も快進撃は続き、2007年には国別対抗戦のA1グランプリ、翌年にはF3・ユーロシリーズを制覇。さらに2009年にはGP2(現在のF2)を制してついに2010年にウィリアムズからF1デビューを飾った。 また同郷であるミハエル・シューマッハのマネージャーも務めたウィリー・ウェーバーのサポートを受けており、ドイツの新たなスター候補として、鳴り物入りでのF1参戦でもあった。
デビューシーズンにポールポジションを獲得!
デビュー前からテストドライバーとして、F1マシンの走行経験があったヒュルケンベルグは、第3戦マレーシアGPで予選5番手から決勝は10位となり、早くも初ポイントを獲得。ウィリアムズではベテランのチームメイト、ルーベンス・バリチェロと共に健闘し、第12戦ハンガリーGPでは6位入賞を果たした。 さらに雨模様となった第18節ブラジルGPの予選では、雨量が少ないタイミングでアタックラップを行い、見事にポールポジションを獲得。決勝では順位を落として8位でチェッカーを受けたものの、1年目から才能の片りんを見せつける充実のシーズンを送った。 しかし、そんな活躍をよそに、リーマンショックの余波を受けてスポンサーの撤退が相次いでいたウィリアムズは、翌年のラインナップに母国の国営企業がバックアップするベネズエラ人のパストール・マルドナドを起用。ヒュルケンベルグは、わずか1年でシートを失ってしまった。