世界中が熱視線!発酵デザイナー・小倉ヒラクさんが考えるこれからの“発酵文化”
世界の“発酵文化”の3つの流れとは…
小竹:世界ではまた違うのですか? 小倉:違いますね。今は世界のほうが発酵ブームが熱いです。逆に、本家なのに日本人がちょっと置いていかれています。 小竹:そうなんですね。 小倉:大きく分けると3つあって、1つ目はグローバルガストロノミーの新しい潮流として、デンマークのレストラン「ノーマ」とかニューヨークのビーガンレストラン「イレブン・マディソン・パーク」とかが、僕のお店「発酵デパートメント」に興味を持ってくれていて、プロジェクトに関わる機会も生まれてきました。 小竹:うんうん。 小倉:2つ目は、イタリアやフランスの郷土食の文化が強い地域で、発酵を核にしてローカルマインドをもう一度盛り上げていこうみたいな流れがあります。 小竹:3つ目は? 小倉:旨味でアジアが繋がっている感覚があって、発酵コミュニティが国境を超えてアジア旨味文化圏みたいなものできてきているという点です。 小竹:すごく面白いですね。 小倉:この3つの流れが「発酵デパートメント」に全部遊びに来てくれている。だから、お店にいるだけで世界の発酵トレンド情報が集まる。日本は局所的に毎年盛り上がる発酵食品が出てくるけど定番化してきていて、海外ではすごくトレンドの火がついてきているというのが僕の所感です。
発酵文化の多様性を発展・継承させていきたい
小竹:私も先日「発酵デパートメント」にお邪魔しましたが、日本人より外国人の方が多かったです。 小倉:もうすぐ日本人のお客さんの数を上回ってしまいます。 小竹:私が行ったときに、店員さんがみんな外国人のお客さんと英語でコミュニケーションしていて驚きました。 小倉:海外に行くと「発酵デパートメントに行ったことがあるよ」というシェフとかにすごく会う。だから、今は日本の発酵ブームを海外の発酵が追い越しちゃっている感じですね。 小竹:「発酵デパートメント」は2020年4月というコロナ禍にオープンをされていますよね? 小倉:下北沢にある発酵専門のお店なのですが、500~600点くらいの発酵にまつわるものを置いていて、愛言葉は「世界の発酵、みんな集まれ!」というちょっとふざけたものです。