【大人のための至福のホテル案内】グラマラスなデザインでNYを席巻「ウォーレン・ストリート・ホテル」
ニューヨーカーたちの前向きな気持ちが集結したトライベッカ
ウォーレン・ストリート・ホテルがあるトライベッカは、ロバート・デ・ニーロ、ビヨンセ、テイラー・スウィフトなど多くのセレブリティが住み、トライベッカ映画祭が開催されるなど文化の中心地としてニューヨークでも注目を集めているエリアであるが、「30年前には倉庫が立ち並ぶ閑散とした地域でした。それが2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件により大きな被害を受け、人々はトライベッカを良い方向に再建したいと思うようになりました。その前向きな思いが少しずつ実を結び、今ではミシュラン星付きのレストランやお洒落なカフェをはじめ、チェルシーから移転してきた名高いギャラリーやセンスあるブティックが増え、多くのセレブリティが移り住んだこともあり人気のエリアとなりました。ファームデールホテルズがトライベッカにホテルを建てたということは、つまり地元の人も近くで働く人も、国内外から訪れる人も、みんなにトライベッカの雰囲気を感じてほしいという思いがあります。そして、人々の多様性を尊重すると共に、様々な面においてintimate(親しみ)という概念を重視しています。ですからレストランをブラッスリーにして誰でも気軽に利用していただけるようにしました」とハムディ氏は語る。 そしてハムディ氏にニューヨークの他の2つのホテル、ザ・ウィットビー・ホテルとクロスビー・ストリート・ホテルとの違いを尋ねると「ミッドタウンにあるザ・ウィットビーは場所柄ビジネスのゲストが多く、ソーホーのクロスビー・ストリート・ホテルはビジネスとライフスタイルのゲストが半々で、滞在日数がウォーレン・ストリート・ホテルに比べてやや少ないことでしょうか。ウォーレン・ストリート・ホテルはスイートルームにテラスやキチネット(小さなキッチン)もあることから滞在日数も長く、ライフスタイルを重視してトライベッカで過ごしたいというゲストが多いことが特徴です。そして何よりキットと二人の娘さん、ミニーとウィローが親子で初めて手がけた記念すべき第一号のホテルであることです。他の2軒よりホテル内がカラフルなのは、娘さんたちのセンスが表れているからです」という答えが返ってきた。 歴史を辿ると19世紀にはテキスタイルの中心地だったというトライベッカ。布使いの名手キット・ケンプがこの地にホテルを建てたのは、見えない糸に導かれていたのではないだろうか。 Warren Street Hotel (ウォーレン・ストリート・ホテル) 86 Warren Street New York NY 10007, USA 髙野はるみ(こうの・はるみ) 株式会社クリル・プリヴェ代表 外資系航空会社、オークション会社、現代アートギャラリー勤務を経て現職。国内外のVIPに特化したプライベートコンシェルジュ業務を中心にホスピタリティコンサルティング業務も行う。世界のラグジュアリー・トラベル・コンソーシアム「Virtuoso (ヴァーチュオソ)」に加盟。得意分野はラグジュアリーホテル、現代アート、ワイン。シャンパーニュ騎士団シュヴァリエ。