【独自】日本の最先端電池技術が中国に流出の危機…!?「経済安全保障」のウラでひそかに広がるヤバすぎる落とし穴
「リーフ」の車載電池の開発者が…
将来、日本経済の牽引役になるかもしれないベンチャー企業の最新技術が中国に漏れるかもしれない。それも日本の大企業の手によって――。 【マンガで学ぶ米国株】たったの2年前にテスラ株を「100万円」買っていたら… 大きな可能性を持つベンチャーの名前は「APB」。福井市に本社と工場を置き,「全個体電池の次」と言われる「全樹脂電池」を開発している。 全樹脂電池とは文字通り電解質に樹脂を使った二次電池のこと。 現在、スマートフォンやEVに使われているリチウムイオン電池の電解質は水溶液や有機溶媒である。漏れやすく発火しやすいので、EVに搭載するときは厳重に保護されている。 そこから進化した全個体電池は電解質に金属リチウムや酸化物、硫化物を使うことで、リチウムイオン電池に比べ発火、劣化しにくく、しかも充電速度が速い。それでも発火のリスクはゼロではなく、製造工程が複雑でコストがかさむなどの欠点があった。 そのさらなる進化版である全樹脂電池は、発火リスクが限りなくゼロに近く、製造コストは全個体電池より40%低減できるという。実際に完成すれば、世界の電池の勢力図は一変する可能性を秘めた優れた製品である。 この全樹脂電池の量産に目処をつけつつあるのが、APBだ。創業者の堀江英明氏は元日産自動車の技術者で、同社初のEV(電気自動車)「リーフ」の車載電池システムを開発した人物である。 日産の開発部門にいた1998年、この電池に着想を得て、900件近い特許を取得している。電池の世界では、リチウムイオン電池の発明でノーベル賞を受賞した旭化成の吉野彰氏、その商用化に道を開いたソニーの西美緒氏と並び称されるレジェンドだ。 堀江氏が在籍していた当時の日産は極度の経営不振に喘いでおり、仏ルノーの傘下に入った。再建に乗り込んだカルロス・ゴーン氏は「コスト・カッター」の異名を取ったが、堀江氏のプレゼンを聞き、全樹脂電池の研究にはゴーサインを出した。 その後、堀江氏は2018年までに全樹脂電池の基礎研究を完了させたが、同年11月にゴーン氏が金融商品取引法違反で逮捕されるなど経営が混乱していた日産は、自社でのEV電池開発を断念。堀江氏は日産を飛び出した。そうして立ち上げたのが、APBだ。