政府・日銀の為替介入、過去最大の9.8兆円-29日までの1カ月間
介入の原資については財務省が6月7日に発表する5月末の外貨準備高で明らかになる。4月末時点では政府が保有する外貨準備約1兆2790億ドル(約200兆円)のうち、介入に直ちに投入できる預金は1577億ドル、米国債などで運用される証券は9780億ドルだった。
4月末の外貨準備の預金から10兆円を引くと残りは約14.7兆円だが、熊野氏は、政府は米国債を売らない形での資金調達手段を考えるだろうと指摘。「市場で言われてるように、預金の残高が制約である説は必ずしも当たらない」との見方を示した。
介入実績発表後の円相場は発表前とほぼ変わらずの1ドル=157円台前半で推移している。
三井住友銀行の鈴木浩史チーフ・為替ストラテジストは、介入額はやや多い印象もあるが、10兆円を超えず「おおむね予想の範囲内」と指摘。「金額が予想より大きくなると円安が進みやすい面もあったが、この程度であれば反応も小さいのではないか」と語った。
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--取材協力:酒井大輔、テソ由美、船曳三郎、横山恵利香.
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Hiroyuki Sekine