中野㊧は和田コーディネーターのアドバイスに聞き入った（撮影・榎本雅弘）

阪神・中野拓夢内野手（28）が25日、甲子園での秋季練習に初参加した和田豊1、2軍打撃巡回コーディネーター（62）から指導を受け、最多安打のタイトルを獲得した2023年シーズンの打撃フォームに戻すことを明かした。復調を目指し、11月の秋季キャンプ（高知・安芸市）で打ち込みを敢行する。 【写真】スコアボードに表示された阪神・中野拓夢の子供の頃の口癖 中野の迷いは吹っ切れた。実演を入れて指導してくれた和田コーディネーターの意見に耳を傾け、質問攻め。打撃練習をチェックしてもらった後、再び〝青空講義〟が始まる。実のある20分だった。 「今年、自分が『こうやってダメだった』というのを和田さんに伝えて。もう一回、去年のような形に戻した方がいいってアドバイスはいただいた」 昨季は164安打を放って打撃部門で初タイトルとなる最多安打に輝き、リーグ制覇＆日本一に大きく貢献した。さらなる飛躍を目指して打撃フォームを改造したが…逆効果だった。「強く振ろうと考えて、体ごと振ってしまったり、振り上げるようなスイングになった」。自己ワーストの打率・232。入団から4年連続で規定打席に到達したが、2番打者としての責務は果たせなかった。2025年での再起に向け、新監督の言葉が背中を押してくれた。 「（藤川）監督から『和田さんもいるから、いろいろ聞いてみたらいい』と言われて」 2軍監督から1、2軍打撃巡回コーディネーターへと役職が変わった和田氏がこの日、甲子園での秋季練習に初合流。現役時代は身長174センチと小柄ながら通算1739安打を放った右の好打者だった。左打ちの中野とは打撃スタイルは違うが、参考になる部分も多かった。 「去年はコンタクトに、小さく、（球が）インコースに来たら（体の）反応で（バットが）回っていた。簡単に去年の状態に戻れるかわからないが、試行錯誤していきながら最終的に戻れれば。戻りながら、新たなものを見つけて進化することが必要」 これまでは直接指導を受ける機会はほとんどなかったが、今後は〝和田門下生〟となる。和田コーディネーターも「外で見るのと本人の思っていることが一致することが一番。あいつの思いを聞きながら、じゃあ（次は）どうしようかとね」と、継続して中野を指導する考えを示した。 11月初旬から始まる高知・安芸市での秋季キャンプに中野はフル参加する。「打撃メインと言われている。しっかりと追い込める時期。一から土台作りをして、新たな教えで引き出しを増やしていきたい」

1番・近本とのコンビで相手投手に嫌がられた2023年のような姿をイメージしながらバットを振る。（三木建次）