阪神を開幕最速10敗に追い込んだ「記録に残らないミス」
「梅野の判断ミス。あのケースは牧の動きをけん制してから送球すべきだった。かなりの場所まで飛び出していた牧は、迷わず三塁へスタートを切ろうとしており三塁スローだった。相手のミスをこちらのミスで助けてしまった」 無死一、三塁となりヒッティングに切り替わった大和はレフト前に引っ張って勝ち越しのタイムリー。だが、まだ1点差で、ここで食い止めておけばゲームはわからなかった。横浜DeNAの最後を締めくくるのは不安定は山崎。ひっくり返せるチャンスはあった。 阪神ベンチも齋藤から桐敷にスイッチ。横浜DeNAは、さらに無死一、二塁から代打・山下にバントをさせようとしたが、2球目をバットに当てられなかったのを見て、カウント1-1からバスターに切り替えた。ここでまたしても阪神の守備陣にミスが生まれる。 叩きつけたゴロをチャージをかけてきた山本が好捕したが、同じくチャージをかけていた三塁の熊谷が三塁ベースへ戻るのに遅れ、山本が、一瞬待った分、三塁送球は間一髪のタイミングとなり、三塁ベースを足で探した熊谷のベースタッチも遅れた。痛恨のフィルダースチョイスとなり無死満塁にしてしまったのだ。 高代氏は防げるミスだったという。 「ショートのカバーがなかったのでブルドックと言われる守備隊形ではなかったが、熊谷はチャージした。前にいくか、いかないかの判断は簡単ではないが、バスターへの切り替えがわかった瞬間に下がらねばならなかった。判断が遅れた。まだこの場合、フォースプレーとなりサードは勘と足でベースを探さねばならないが、三塁に慣れていない熊谷には戸惑いもあったのだろう。ベースタッチも遅れた。守備固めの人選にも問題があったのかもしれない」 無死満塁となり、戸柱から三振を奪ったが、前の打席で移籍初ヒットとなる三塁打を打って気分のいい大田にレフトオーバーを許す。走者一掃のタイムリー二塁打となり、さらに楠本の犠飛による追加点もあって、一気に5点を失い勝負あり…。 高代氏は4番手の齋藤の抜擢に疑問を抱く。 「整備のできていないブルペンの弱さを露呈したが、齋藤は力はあるが、こういう緊張した場面では制球を乱して実力を発揮できないタイプ。ベンチが適性を見誤った。桐敷を頭からいくか、最後に投げた昨季の経験がある馬場でも良かったと思う」 齋藤は3月27日のヤクルト戦で三者三振のリベンジを果たすなど3試合に投げて無失点。ベンチの信頼を取り戻していたようだが、プレッシャーのかかる緊迫した場面での登板機会はなく、勝敗のかかったイニングでの登板は不透明だった。